映画で中国の現代史回顧 福岡市総合図書館

 福岡市早良区百道浜の市総合図書館「映像ホール・シネラ」は3月7日まで、「中国映画の展開」と題し、1930~90年代にかけて中国で製作された16作品を上映している。これらの作品を通し、戦争と革命で激動した中国の現代史を回顧できる。

 上映作品のうち、半数の8作品が国内初上映。その一つ「上饒(シャンラオ)収容所」は、日中戦争、国共内戦を経て中華人民共和国が建国された2年後の51年の作品。建国初期に数多く作られた革命戦争映画の一つで、国民党軍との武力衝突の後、強制収容所に入れられた中国共産党の党員が過酷な状況下、信念を貫く姿を描く。

 共産党が50年代半ば、学問や思想、芸術などの分野で自由な発言を奨励した運動「百花斉放百家争鳴(ひゃっかせいほうひゃっかそうめい)」。57年の作品「未完成喜劇」はこの運動の下、共産党の映画指導方針を戯画化し風刺した。だが、この運動の展開によって、知識人による共産党批判が激化。共産党は反右派闘争を起こして反撃し、運動は終息。監督は作品完成後、批判されて映画界を追放された。

 毛沢東が発動した政治運動の文化大革命(66~76年)では、映画製作は厳しい制限を受けた。活気を取り戻したのは80年代に「第五世代」と呼ばれる若手の映画人が登場してからだ。〓小平の主導によって市場経済への移行が図られた改革開放の流れの中、政治的な宣伝を担う映画から抜けだし、自己主張を貫く作品が作られるようになった。

 陳凱歌(チェンカイコー)監督のデビュー作「黄色い大地」(84年)は、貧村で暮らす少女が派遣されてきた兵士と出会い、村の因習から逃れていく話が詩的な映像で表現されている。

 上饒収容所は今月13日で上映終了。観覧料は大人600円、高校・大学生500円、小中学生400円。福岡市総合図書館=092(852)0600。 (下村佳史)

※〓は「登」に「おおざと」

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