「原発をやめるのは簡単じゃない」枝野氏に聞く (2ページ目)

◆「無責任なことは言わない」

 -今後、原子力政策をどう進めるべきだとお考えですか。

 「原発の使用済み核燃料の行き先を決めないことには、少なくとも原子力発電をやめると宣言することはできません。使用済み核燃料は、ごみではない約束で預かってもらっているものです。再利用する資源として預かってもらっているから、やめたとなったらその瞬間にごみになってしまう。この約束を破ってしまったら、政府が信用されなくなります。ごみの行き先を決めないと、やめるとは言えない。でも、どこも引き受けてくれないからすぐには決められない。原発をやめるということは簡単なことじゃない」

 -立憲民主党は綱領に一日も早い「原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会」の実現を掲げています。

 「使用済み核燃料の話は、政権を取ったとしてもたぶん5年、10年、水面下でいろんな努力をしない限り無理です。だから政権の座に就いたら急に(原発ゼロを実現)できるとか、そんなのはありえない」

 -原発やエネルギーに関する現政権の方向性をどう評価しますか。

 「(菅義偉首相が掲げる2050年までのカーボンニュートラル実現は)当たり前の話ですが、原発を活用して実現するのと原発に依存しないのとでは全然意味が違います。菅首相はそこをはっきりさせないので、原発を使いたい目的で言っていると受け取られても仕方がありません」

 -立憲民主党としては、カーボンニュートラルを原発を使わずに実現すべきだと。政権を取った時の道筋をどう示しますか。

 「皆さん道筋を示せと言うが、道筋を示すのは無責任だと思います。つまり使用済み核燃料の話もあるし、原油価格がどうなるかも分からない。カーボンニュートラルには技術革新も必要で、何年やったらできますなんて無責任なことは言えない」

 -では、野党として責任を持って言えるのは。

 「方向性です。原発に依存しないでカーボンニュートラルを進めていくという方向性は言えるけど、その道筋を言うのは無責任です」

 「無責任なことは言わない。それが多分、私と今までの野党のリーダーとの決定的な違いだと思います。分からないことは分からないと堂々と言う」

◆震災後も「昭和」の日本政治

 -震災から10年、日本の政治はどう変わったと感じますか。

 「変わっていない。先ほども触れたとおり、まさに『昭和』なんです。バブルがあり、バブル崩壊があり、リーマン・ショックがあり、大震災があっても昭和なんですよ。変わっていないと思います。その典型が、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言を巡る問題です」

 -40代という若さで震災対応を指揮する経験をしたのは、政治家として「強み」なのでは。「今でも昭和」とおっしゃる日本の政治をどう変えていきますか。

 「強みというか、責任ですよね。もともと僕、リアリスト(現実主義者)なんですよ。官房長官になる前からリアリストだったけど、ますます徹底することになりましたね。なおかつ、あの経験をしているのは私しかいないわけなので。たぶん、生かさなければならない社会的責任があるんだろうな、と思います」

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