公明、衆院選に危機感 遠山議員辞職の余波、神奈川6区擁立断念

 公明党が次期衆院選に向けて危機感を強めている。公選法違反罪で公判中の河井克行元法相=自民党を離党=の地元・衆院広島3区で公明候補擁立にこぎ着けた一方、自党議員が銀座クラブ問題で議員辞職し、衆院神奈川6区では擁立断念に追い込まれた。不祥事の影は直近の地方選に波及している。公明が国政選挙並みに注力する東京都議選もある選挙イヤーに、党勢を立て直せるか。 (森井徹)

 「一気に風向きが変わった。これからが大変だ」。比例九州ブロック選出の遠山清彦衆院議員が2月1日に辞職を表明した後、公明関係者は声を落とした。

 遠山氏は、緊急事態宣言下の深夜に銀座のクラブを訪れていたことが報道され、その後、自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」を支出していたことも発覚。公明の支持母体の創価学会員などから批判が鳴りやまず、当初は謝罪で乗り切れると踏んだ党側も“泣いて馬謖(ばしょく)を斬る”対応に切り替えざるを得なくなった。

 財務副大臣などを歴任し、今後の党を背負うホープと期待される存在だった遠山氏。鋭い弁舌に定評があり、次期衆院選では新たなステップとして激戦が予想される神奈川6区へのくら替えが既に内定していた。

 神奈川6区は、公明が前回の2017年衆院選の小選挙区で唯一取りこぼし、奪回が命題となっていた。遠山氏の辞職翌日、山口那津男代表は「これから新たな候補者を見つけて、地元でお願いをするのは非常に困難」として、擁立見送りを表明した。自民が代わりに候補者を探す。

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 近年の国政選挙での公明比例得票数は、減少トレンドにある。17年衆院選で697万票と初めて700万票を割り込み、19年参院選も653万票とさらに振るわず。支持層の高齢化などが指摘されているが、次期衆院選では「800万票を目指す」(石井啓一幹事長)と反転攻勢の強気の目標を掲げる。

 背景には、河井克行、案里夫妻の公選法違反事件で自民への逆風が激しくなり、衆院広島3区の与党候補として斉藤鉄夫公明党副代表を決定できたことがある。公明は前回衆院選の比例中国ブロックでは、最下位当選でようやく2議席を確保した「崖っぷちの状態」(党幹部)。今回、小選挙区に党候補を立てることで比例得票の掘り起こしにも期待が高まっていた。

 それだけに、遠山氏の件の余波が収まらず、公認候補の全員当選を狙う公明としては珍しく、1月31日投開票の埼玉県戸田市議選で候補者が落選したことにショックが広がっている。山口氏は「これからの選挙で与党側の不祥事の影響を最小限にとどめるよう、最大の努力をしていくことが大切だ」と引き締めを図るが、中堅議員からは早くも「800万票ははるかな夢」との声が出ている。

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