本紙に早稲田ジャーナリズム大賞、1000の声がかんぽ生命不正暴く

 かんぽ生命保険の不正販売問題を巡り、日本郵政グループは不正に関与した郵便局員ら2050人を懲戒処分とした。不正の調査は3月末までの完了を目指しており、処分者数はさらに増える見通し。2019年夏以降、保険の積極的な営業に踏み出せないままで、信頼回復への道は険しい。

 「多数の顧客に不利益を生じさせ、深くおわびを申し上げる」。本紙が保険料の二重払い問題を報じた3日後の19年7月10日。かんぽ生命の植平光彦社長(当時)は記者会見で大規模な不正販売を認めて謝罪し、「法令違反はない」としてきた姿勢を一転させた。

 郵政グループは同月末、二重払いや無保険状態になるなど、保険の乗り換えに絡む不正が疑われる契約が約18万3千件に上ると公表。その後、多額の契約をさせたケースなど約22万件を調査対象に追加した。

 20年1月に就任した日本郵政の増田寛也社長は「グループ全社にとって創業以来、最大の危機」と表明した。

 これまでに行った懲戒処分の内訳は、解雇25人を含む現場の営業担当者1173人▽郵便局長ら管理者499人▽本社などの責任者378人。

 本紙には、局員や顧客から計千件を超える情報提供があり、「過剰なノルマが不正の背景にあった」との内部告発が相次いだ。ある局員は「営業実績が低迷すると懲罰研修に呼び出され、土下座を強要された」と訴えた。

 郵政グループは07年の民営化後も、全国で郵便や貯金、保険のサービスを提供するよう法律で義務付けられている。約2万4千の郵便局網を維持するために金融事業の収益に依存するいびつな構造がある。どのように郵政事業を維持していくのか。経営陣には、グループの将来像を提示する役割も求められる。 (宮崎拓朗)

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