退院基準は段階的緩和 発症10日未満でも

【新型コロナ九州感染確認1年】

 新型コロナウイルス感染症は、発熱などの症状が出てから7~10日程度経過すると、他人にうつすリスクが低減することが、国内外の研究で明らかになっている。初期の陽性者は、入院し、その後のPCR検査で2回続けて陰性にならなければ退院できなかったが、知見を踏まえ、一定期間の入院を経ると、PCR検査を受けることなく退院が可能となっている。

 厚生労働省は、段階的に退院基準を見直している。今の基準では発症から10日間が経過し、かつ症状が改善して72時間を過ぎると、退院できる。発症から10日が過ぎていなくても、症状が改善した場合は、24時間以上の間隔を空けたPCR検査で2回続けて陰性になれば退院が可能だ。

 無症状の場合、濃厚接触者などとして検体を採取した日から10日間経過するか、検体採取日から6日経過後にPCR検査で2回連続陰性となれば退院できる。

 基準を満たして退院となった後の活動制限は設けられておらず、就業なども可能だ。宿泊療養や自宅療養も、退院基準の条件を満たせば療養解除となる。

 濃厚接触者は、陽性者との最終接触から14日間の自宅待機が求められる。

医療機関、パブ、障害者施設…クラスター各所で

 九州7県では、さまざまな場所でクラスター(感染者集団)が発生。注意点や対策の難しさも浮かび上がった。

 九州初のクラスターは昨年3月、大分市の医療機関で起きた。医師や看護師、患者ら計24人が感染。転院先で感染が判明した患者もいて、複数の医療機関に感染が広がった。

 関連陽性者が116人に上り、九州最大級のクラスターとなったのは鹿児島市のショーパブ。発生時期が昨年7月で梅雨と重なっており、厚生労働省や同市の調査で、雨天時の換気やマスク着用が不十分だったことが要因と指摘された。

 鹿児島県の離島・与論町では、「与論献奉けんぽう」と呼ばれる島伝統の酒の回し飲みが感染拡大の一因となった。医療体制が脆弱ぜいじゃくな離島では対応が難しく、多くの患者が自衛隊のヘリコプターなどで島外に搬送された。

 昨年12月に北九州市の障害者施設で起きたクラスターでは、マスク着用や3密回避ができない障害者の感染対策の難しさが浮き彫りになった。

 福岡市では、職場の喫煙所で感染が広がったと認定された例もあった。飲食だけでなく、気が緩みやすい場所での行動にも注意が必要だ。

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