陽性者聞き取りに2時間 感染経路の把握重要

【新型コロナ九州感染確認1年】

福岡市博多区兼中央区保健福祉センター 田中雅人保健所長

 新型コロナウイルス感染者が、九州の自治体で最も多い福岡市。医療現場だけではなく保健所でも逼迫ひっぱくした状況が続く。田中雅人・博多区兼中央区保健福祉センター保健所長に、現状を聞いた。

 ―保健所はどう対応しているのか

 「陽性者が出た場合、基本的には電話で聞き取りし、疫学調査を通して健康状態や接触者を把握する。入院や宿泊療養の調整、自宅待機者や濃厚接触者の健康観察など業務は多岐にわたる。聞き取りは一人に対し2時間に及ぶこともある」

 ―病床使用率が高止まりしている

 「高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生すると、入院の必要な人が一度に発生したり、高齢者の入院期間が長くなることが多かったりし、入院調整に時間がかかっている。すぐに入院先が見つからず、心苦しいこともあった」

 ―保健師の勤務状況は

 「病院からの陽性者発生の連絡は午後の遅い時間からが多く、聞き取りが深夜にかかることも。月の残業時間が100時間を超えるスタッフもおり、心身に疲労が蓄積している」

 ―市内で九州初の感染者が確認された時は

 「海外渡航歴もなく、感染リスクの高い場所にも行っておらず、感染経路は全く分からない。入院時は自転車に乗れるほど体力があったが、数日して急変。元気になって退院されたが、新型コロナの怖さと、誰でも感染しうることを痛感した」

 ―中洲など繁華街の調査で難しかったことは

 「まず接触者の情報の確認。氏名や電話番号が分からず、SNSでのみつながっている人も多く、検査の受診調整に時間がかかった。中洲だけでなく、若い人の接触調査ではよくある」

 ―疫学調査では何に気を付けているか

 「拡大を防ぐには濃厚接触者を可能な限り特定し、感染機会を把握することが重要。陽性者が急増しても聞き取りに時間をかけた。PCR検査を濃厚接触者とは定義されない周辺者に広げ、感染が見つかったこともあり、幅広に検査をしてきた効果はある」

 ―市民に呼び掛けたいことは

 「外出時のマスク着用と手洗い、消毒の徹底をお願いしたい。ワクチン接種が開始された際は、集団免疫を確保するためにもできるだけ早く接種に協力してほしい」

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