家庭科技術検定4種目で1級合格、東鷹高の4人が「四冠王」

 田川市の県立東鷹高総合生活科3年の4人が、全国高校家庭科技術検定の4種目で1級に合格する「四冠王」に輝いた。同検定が認める四冠王は、毎年、全国で取得者が数十人しかいない難関で、4人同時は同高史上最多。新型コロナによる休校の影響で思うような練習ができない中、彼女たちが逆境をバネに偉業を達成できたのは、地道な努力と工夫に加え、同高教諭7人で構成する「チーム家庭科」の献身的なサポートもあった。

 4人は川上結奈さん(18)、鶴田綾音さん(18)、新山愛華さん(18)、村上千尋さん(18)。同検定は被服製作の和服と洋服、食物調理、保育技術(音楽・リズム表現、造形表現、言語表現、家庭看護)の4種目の4~1級で、筆記と実技試験がある。4級から順に合格しないと上の級は受験できない。

 試験は年2回で、1年から昇級していかないと3年までに全取得は難しい。本年度の試験は昨夏と今冬にあり、4人は1級合格を目指し、練習を重ねた。

 検定の中でも、川上さんを除く3人が「一番難しかった」と口をそろえるのが保育技術の音楽・リズム表現。歌いながらピアノを弾かなければならないが、3人は高校進学までピアノの経験がなかった。

 鶴田さんは「苦手、苦手と言っていても始まらない」と選択科目で音楽を選び、授業以外にも放課後、音楽科教諭から手ほどきをうけた。自宅でも、母親が20年ほど前に買って押し入れで眠っていた電子キーボードを引っ張り出して、ピアノ代わりに練習。苦手意識を克服していった。

 村上さんも家にあった電子キーボードで練習。吹奏楽部でクラリネット担当の新山さんは部活の後、1人残ってピアノを弾くことで上達していった。

 一方、川上さんはピアノの経験があり、音楽・リズム表現は苦にならなかったが、造形表現技術では苦労した。菓子箱を使って端午の節句のかぶとを作る課題は制限時間内で完成させることができず不合格に。一つ一つのパーツ作成に時間を取られたのが敗因と反省し、次の課題だった「お月見」では、全体の出来栄えを優先し、時間配分にも気を配ることで、時間内に完成させることに成功。総合的な評価で合格した。

 4人とも順調に昇格したわけではなく、1度は不合格を経験している。でも誰もあきらめなかった。担任の伏見郁子さんは「仲の良い4人だけど四冠王という同じ目標を持つライバル同士。自分だけ脱落するわけにはいかないという緊張感があった」と打ち明ける。

 昨年は新型コロナによって長期休校のため、練習不足に。4人の努力だけでは埋めることの難しい苦境を救ったのは、家庭科教諭7人だった。とりまとめ役の伏見さんによると、彼女たちの目標達成のため、7人が「チーム家庭科」として一丸となり、保育技術以外にも被服製作や食物調理で個別指導。各教諭が積極的にコミュニケーションを取ることで4人の心理的不安も和らげた。伏見さんは「コロナのおかげで、生徒と教員の間に例年以上の一体感が生まれた」。

 今春、大学に進学する4人。川上さん、鶴田さん、新山さんが保育士、村上さんは管理栄養士が目標。文書デザイン検定1級にも合格し“五冠王”の村上さんは「東鷹で学んだ、あきらめない心をこれからの人生に生かしたい」と話した。 (吉川文敬)

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