離島レンタカー苦境 長崎、来島激減で売上9割減も

 新型コロナウイルスの感染拡大で離島のレンタカー業者が大打撃を受けている。需要の大半を占める来島者が激減し、回復の見通しが立たないためだ。長崎県や市町は「第3波」で売り上げが落ちた事業者に給付金を支給する経済対策を打ち出しているが、自動車税や車検代などの維持費がかかるレンタカー業者からは、保有台数が多い大手ほど「事業を継続できない」と悲鳴も上がる。

 「今までに経験したことがない危機」。県レンタカー協会壱岐支部の山口和芳支部長(68)はため息をついた。経営する玄海自動車販売のレンタカー部門は約50台を保有。1月の売り上げは前年比で9割減と落ち込んだ。

 壱岐島内には主に観光やビジネスの来島者にレンタカーを貸し出す同支部加盟の7事業者がある。

 壱岐交通タクシーのレンタカー事業部は任意保険料や整備費などの維持費を削減するため、保有するレンタカーの一部を売却。港に車を運び、貸し出し業務をする従業員2人を1日から休みにした。別の事業者も保有する約60台のうち、車のリース代など経費削減のため3分の1を手放した。

 他の離島の業者も「2月の予約はほとんどない」(対馬市のレンタカー会社店長)、「1月の売り上げはどこも例年の8割減では」(県レンタカー協会五島支部)など苦境を訴える声が相次ぐ。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の停止期間も3月7日まで延長され、さらに追い込まれた形だ。

 県は飲食店の営業時間短縮などで売り上げが減った取引事業者を対象に、市町と折半して20万円を支給する支援策を発表。2020年度一般会計補正予算案に事業費(16億200万円)を計上した。

 これに合わせて市町も20万円に額を上乗せしたり、独自の給付金を打ち出したりして、第3波で落ち込んだ地域経済の下支えを急ぐ。ただ、給付金の多くは事業規模にかかわらず同額で「従業員数や保有台数が多いほど痛手は大きいのに一律なのは不公平」(あるレンタカー業者)という不満も根強い。

 壱岐市の給付金は10人以上を雇用する法人に30万円、10人未満の法人と個人事業主に20万円。3月1日から申請を受け付ける。

 玄海自動車販売の従業員は8人。山口支部長は「給付はありがたい。法人、個人事業主を区別していたら給付が決まらない。今はどの業者も資金的に困っている。スピードが大事だ」と声を振り絞った。

(田中辰也、平江望、野田範子)

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