「元気です」。コロナ下の黄色い…
福岡県上毛町で、黄色い旗を使って高齢者の安否を確認するユニークな試みが行われている。体調が良ければ黄色い旗を玄関先に掲げて互いに確認し合うというもので、往年の名画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」に着想したという。
同町東上地区の住民はこれまで、定期的に集会所でミニゲームなどの交流を通して互いに健康状態を気遣ってきた。ところが、コロナ禍により集会は激減し、隣近所への自由な家庭訪問もままならなくなった。

そんな状況の中、同地区の笹尾嘉一さん(86)が映画「幸福の―」をヒントに、独り暮らしの高齢者を中心に手作りの黄色の旗を配布。朝、玄関先に掲げて“意思表示”し、夜は引っ込めることとして、互いに思いやることを始めた。
旗がないときは近くの人らが協力して訪問することで、小山ヒロ子さん(81)は「誰かが見守ってくれていると思うと安心」と笑顔を見せ、笹尾さんは「試行錯誤だが、地域で協力してこの難局を乗り越えたい」と話した。
(帖地洸平)