五輪の舞台へ「求むスポンサー」 2人の九州アスリート

 東京五輪を見据えるアスリートがスポンサー探しに奔走している。ボクシング男子ウエルター級で出場権をつかんでいる岡沢セオン(25)=鹿児島県体協=はアマチュアボクシングの地位と人気を高めるため、自立を宣言。また、フェンシング男子サーブルで出場を目指すストリーツ海飛(26)=鹿児島クラブ=は昨秋所属企業との契約が終了した。ともに鹿児島県代表として出場予定だった昨秋の鹿児島国体が延期され、同県体協との契約も3月末で終了。飛躍のために新たな活動費を確保しようとしている。 (末継智章)

活動費の確保見通せず危機感

フェンシング男子サーブルのストリーツ海飛

 3月10~14日のフェンシングのワールドカップ(ブダペスト)で五輪出場権を懸けて戦うストリーツは、年間約350万円かかる活動費を確保できていない。昨年11月限りで所属先のアスリート雇用枠がなくなり、同県体協との契約も3月末で終わる。「できるだけ早く支援先を見つけたい」と危機感を募らせる。

 7歳から米国で育ち、鹿児島県出身の母範子さんからの「日本から東京五輪に出てほしい」という願いに応えるため2018年に帰国した。全日本選手権を2度制した実力派で、五輪の1年延期を受けてヨガやストレッチで柔軟性を高め「体が簡単に動くようになった」とさらなるパワーアップも期待できる26歳。4月以降も国際大会は続き、23年の鹿児島国体優勝や24年のパリ五輪出場も目指す。「日本代表として競技に専念できる生活環境と勤務態勢を支援していただければ」と願うが、コロナ禍の影響もあって金銭面で支援してくれる企業は出ていない。

 ネーティブな英語力に加え、米ペンシルベニア州立大で経営学を専攻した文武両道の国際派。「将来は国際的な仕事をしたい。冷静で目の前の課題に集中して努力を続けるアスリート精神はビジネスに生かせる」と将来的には社員として働くことも視野に入れている。

 3月末までの問い合わせは鹿児島県体協=099(255)0146。

 ストリーツ海飛(かいと)1994年6月6日生まれの26歳。横浜市出身。米国人の父と日本人の母との間に生まれ、8歳のときに米カリフォルニア州でフェンシングを始める。16歳で全米ジュニア選手権を制覇。2016年に全米選手権、17、19年には全日本選手権で優勝。3歳上の兄との2人兄弟。176センチ、75キロ。

「プロのアマボクサー」へ自立

男子ウエルター級の岡沢セオン

 「プロのアマチュアボクサー」を目指す。岡沢は「今までアマチュアで(大学卒業後も)ボクシングを続けるには国体に出場するか自衛隊に入るしかなかった。自ら大きなスポンサーをつけ、1千万円稼ぐボクサーになれば夢のあるスポーツになり、子どもたちも五輪を目指してくれる」と“転向”はアマボクシングの地位向上が狙いであることを明かした。

 「かなり前からイメージがあったが、知名度がないとスポンサーはつかない。五輪出場を決め、もしかしたらできるかもしれないと思った」

 鹿児島県体協との契約は切れるが、練習拠点「Wild.bスポーツジム」がある鹿児島県鹿屋市を離れるつもりはない。中大卒業後に一度は引退を考えた岡沢は「ここでなければ今の自分はないし、これからもない」と強い恩義を感じている。スポンサーも同市を中心に呼び掛けた上でその輪を広げたい考え。五輪後の2023年に延期された鹿児島国体で優勝する目標も持ち続けている。

 アマにこだわるのは、3分3ラウンド制で有効打の数が問われるこの競技ルールでは「プロの世界王者が来ても負けない」というプライドがあるから。11日のチャリティーイベントでは10戦10勝9KOの若手プロを持ち味のアウトボクシングで翻弄(ほんろう)した。“プロ”として東京五輪で大暴れする自信はある。

 問い合わせは同ジムの荒竹俊也会長=0994(41)5107。

 岡沢セオン(おかざわ・せおん)1995年12月21日生まれ。山形市出身。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、小学1年からレスリングを始め、日大山形高でボクシングに転向。中大卒業後、鹿児島県鹿屋市を練習拠点とし、2019年のアジア選手権男子ウエルター級で日本人として36年ぶりに銀メダルを獲得。身長179センチ。

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