切り花産地うきは「厳しい」 コロナで式典減少

 卒業式や冠婚葬祭、誕生祝い、インテリアなど日々の生活で欠かすことができない生花。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言のもと、祝宴や式典が開かれず売り上げが落ちている切り花と、巣ごもり需要で売り上げが伸びている鉢植えで明暗が分かれている。カーネーションやバラ、ユリなどの切り花産地であるうきは市の生産者は、この自粛ムードがいつまで続くのかと不安を隠せないでいる。

 久留米花卉(かき)園芸農業協同組合久留米花市場によると、切り花はコロナ拡大に伴い2020年2月から需要が減り始め、入荷量、単価とも落ち込んだ。同年3月の入荷量は前年比約6割まで急減。同市場関係者は「葬儀で使うキクや装飾で人気のカーネーションは特に厳しい」と話す。

 一方、シクラメンなど鉢植えの入荷量はほぼ前年並みで、単価も上がった。外出自粛などで家庭にいる時間が長くなり、自宅花壇やリビングに置く観葉植物としての需要が増えており、「自宅からウェブ会議に参加する際、背景に鉢植えを置きたい人が増えているのも一因」と解説する。

 うきは市吉井町で半世紀にわたってカーネーションを栽培する「山下園芸」代表の山下智さん(68)は、ハウス8棟(計5500平方メートル)で11品種6万本を育てている。一昨年は平均1本約65円だった出荷額が昨年は約45円に落ちた。年間300万円近い減収という。ハウス暖房用の電気代や重油代、人件費、出荷経費などが重くのしかかる。「こんなに落ち込んだのは東日本大震災の時以来。コロナ禍に少しでも明るい気持ちになるよう、家庭でも切り花を飾ってほしい」と呼び掛ける。

 年度末に向け、式典や歓送迎会などで切り花出荷が増える時期を迎えるが、先が見通せない。JAにじ園芸指導販売課花卉担当の上村享さんは「これからは家庭や企業に定期的に花を届ける『サブスクリプション』や、ネット販売などに活路を見いだすのも一つの手」と考えている。 (渋田祐一)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR