太宰府暴行死、新本部長も不備認めず 佐賀県警

 福岡県太宰府市で2019年10月に暴行されて死亡した女性=当時(36)=の家族が事件前、佐賀県警鳥栖署に何度も相談していた問題を巡り、佐賀県警の松下徹本部長は25日、着任後初の記者会見で「被害女性に直ちに危害がおよぶ可能性は認められなかった」と述べ、県警の対応に不備はなかったとする従来の見解を改めて示した。佐賀県公安委員会から遺族の要望を踏まえた提言を受けたことも明らかにし、同日、相談対応を見直す本部長通達を全職員に出した。

 家族は県公安委に第三者による検証を求めていたが、松下本部長は「県公安委は県警とは異なる第三者的管理機関として調査し、提言した。(県公安委は)これ以上の調査を特に考えていないと思う」と述べた。

 本部長通達では署などの相談態勢について(1)必要に応じ複数人で対応に当たる(2)相談記録の様式を見直し、確実な記録化に努める(3)相談者に対しては事後の連絡が必要かどうか意向確認する-などを指示した。

 女性の事件では、19年9月25日に元暴力団員の男らから金銭を要求された音声データを、家族が鳥栖署に持参。被害届の受理を求めたが、署は担当者の不在を理由に受理せず後日の来署を依頼した。当時の相談対応を記した内部文書には、被害届提出の意思について「現在のところなし」の項目に印が入るなど、事実と異なる記載があった。

 松下本部長の会見を受け、女性の家族は「トップがいくら代わろうと、(県警は)何も変わらないんだと、残念に思っている」とのコメントを出した。

 松下本部長は広島県出身。1995年に警察庁に入り、警察庁長官官房参事官などを歴任。体調不良で急きょ離任した杉内由美子前本部長に代わり、24日付で着任した。

(岩崎さやか、金子晋輔、木村知寛)

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