ワクチン後手「現場が混乱」 知事会で不満噴出

 全国知事会は27日、新型コロナウイルス対策本部のオンライン会合を開いた。感染収束の切り札とされるワクチン接種について、接種計画が当初想定よりも遅れ、詳細情報の公表も後手に回る政府に対し、知事からは「現場が混乱している」と不満が噴出。医療従事者への優先接種の早期完了など、具体的な接種計画を示すように緊急提言をまとめた。近く国に提出する。

 「(供給)スケジュールや量が不透明で苦慮している」(蒲島郁夫熊本県知事)、「情報に振り回され、進めていた接種計画を見直さざるを得ない。事態は収束どころか混乱を来している」(谷本正憲石川県知事)-。39知事が出席した会合では、ワクチン接種を巡って二転三転する政府への批判が相次いだ。

 当初、政府は65歳以上への接種を「3月下旬」と想定していた。ところが「4月1日以降」「本格接種は4月26日からの週」と計画が順次ずれ込み、自治体側が対応に追われている。

 佐賀県の山口祥義知事は、医療従事者4万人分のワクチンを求めるのに対し、1万人分の確保にとどまる現状を説明。「医療従事者と高齢者への接種が同じ時期になりそうで不安だ。まずは医療従事者の優先接種が必要」と強調した。

 提言ではワクチンに関して、集団免疫獲得に向け、時期を明示した接種率の目標や接種情報を管理する新システムの制度設計を早急に決めることを要望。円滑な接種のため、全体像を早期に示すよう求めた。

 知事会アンケートによると、接種に必要な人件費などの費用は、約半数の都道府県で国負担の上限額を超えることが判明。財源不足に陥らないように、財政支援の拡充も要求した。

 福岡など6府県で2月末に解除される緊急事態宣言を巡っては、リバウンド(感染再拡大)を防ぐため、PCR検査などの対策強化を要望。宣言対象外でも時短営業に応じた飲食業などへの経営支援も求めた。

 観光支援事業「Go To トラベル」については、地域経済が疲弊しているとして段階的な再開を求める意見が続出。大分県の広瀬勝貞知事は「地域の実情を踏まえ、少人数の県内行を対象とするなど弾力的に運用してほしい」と述べた。ウイルスの変異株を懸念する声もあり、「入国規制を厳格に行う必要がある」(吉村洋文大阪府知事)として水際対策の強化も盛り込んだ。 (郷達也)

関連記事

PR

政治 アクセスランキング

PR