中国教科書に「同性愛は精神障害」 判決も肯定

 【北京・坂本信博】中国で、同性愛を「精神障害」と記述した大学の教科書を巡り、女子大学生が出版社に謝罪や書籍の回収・訂正を求めた民事訴訟の結果が話題を呼んでいる。一審判決は「同性愛は精神障害である」として教科書の記述を肯定し、学生が敗訴。24日に出た二審判決も一審を支持した。中国は二審制のため学生の敗訴が確定したが、会員制交流サイト(SNS)では判決への批判が相次いでいる。

 中国メディアによると、訴訟となった教科書は広東省広州市の曁南(きなん)大出版局が2013年に出版した「大学生のメンタルヘルス教育」。同性愛を「性的精神障害」に分類し「同性愛のアダルトビデオを視聴すると、性的指向の逸脱につながる可能性がある」と指摘していた。

 中国では長年、同性愛は不良行為に当たる流氓(りゅうぼう)罪(ごろつき罪)の対象とされてきたが、1997年の刑法改正で対象外となり、01年以降は中国精神医学会の基準でも「精神疾患」に分類されなくなった。女子学生は「国家や国際的な診断基準に照らして知的過誤があり、図書の品質管理規則から逸脱している」と主張して、17年に提訴した。

 訴訟は「同性愛嫌悪の教科書事件」として注目を集め、審理は3回延期。昨年9月にようやく出た一審判決は「同性愛は性的精神障害に分類される」と判断し、原告の請求を退けた。学生は控訴したが、24日の二審判決は、同性愛が精神障害かどうかの判断は示さずに「学術的見地であり、知的過誤には当たらない」と一審を支持した。

 このニュースを受け、中国のSNSでは「自分の性的指向を受け入れられないことによるうつ病は精神障害だが、同性愛は病気や障害ではない」「同性愛嫌悪こそが病気だ。多様性や寛容が現代文明社会の発展の方向性であるべきだ」「差別や偏見を助長する判決だ」などと原告を支持する声が目立つ。一方で「判決は正しい」「同性愛は精神的な問題というのが一般常識だ」との投稿もある。

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