「台湾パイン」新たな火種 中国、最盛期に輸入停止

 【北京・坂本信博】中国政府は1日、台湾からのパイナップルの輸入を停止した。昨年以降、検疫で何度も害虫を検出したためとしているが、台湾側は「検疫の合格率は99%以上。政治的圧力だ」と猛反発している。台湾産パインは輸出量の95%超が中国向け。中国政府と対立関係にある台湾の蔡英文政権に打撃を与える狙いがあるとの見方もあり、中台間の新たな火種となりそうだ。

 台湾の農業委員会(農水省)によると、昨年のパイン生産量は約43万トンで約4万5千トンを輸出した。ほとんどが中国向けで、2位の日本でも輸出量の約2%を占める程度。3月が収穫最盛期だが、禁輸の発表は2月26日で、現地には衝撃が走っている。

 中国側は「有害生物が本土に入れば、農業生産や生態の安全にとって深刻な脅威となる。通常の予防措置だ」と説明する。ただ、台湾当局によると、中国に輸出したパインの検疫合格率は99%以上の水準で推移しているという。

 台湾与党の民主進歩党(民進党)の報道官は、中国が対立するオーストラリアからの食肉輸入を停止したのと同じ手口だと指摘し「農産品を利用した政治的威嚇」と批判。農業委は、日本やオーストラリアなどへの輸出拡大で生産者への打撃を防ぐと表明した。

 中国の習近平国家主席は一国二制度による台湾統一を提示して台湾への圧力を強めている。台湾産パインは、台湾独立志向の民進党が地盤とする南部に生産者が多く、禁輸は蔡政権への揺さぶりとの見方もある。

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