「サマショール~」3・11福岡上映 放射能の重し、それでも帰った

 福島第1原発事故で全村避難し、6年後の避難解除で帰村を選んだ福島県飯舘村の人々を撮ったドキュメンタリー映画「サマショール~遺言 第六章」(2020年)が東日本大震災から10年の3月11日、福岡市のKBCシネマで上映される。「遺言 原発さえなければ」(14年、全5章)の続編。共同監督でともにフォト・ジャーナリストの豊田直巳さんと野田雅也さん(福岡県久留米市出身)が追い続ける元酪農家、長谷川健一さん(67)には、放射能汚染の重しにあえぎつつ、なお前を向く人間の強さや悲しさがのぞいている。

 サマショールとは、チェルノブイリ原発事故(1986年)の放射能汚染地域に戻って暮らす人たちのこと。飯舘村は避難解除時も事故前の基準を超える放射線量があり、今も事故前の2割の約1200人しか戻っていない。長谷川さんも避難先からの帰村を迷った。

 帰村前、チェルノブイリ原発事故から30年の時、被災したウクライナの村を訪ねた際の印象も迷った理由の一つだ。一時は1500人ほどが自主帰村したが、今は120人余りに減ったという。廃屋が散在する。飯舘はどうなるか。戻った高齢者たちが齢を重ねた先の村の想像イメージと重なった。

 長谷川さんは村の酪農のリーダーだったが、再開を断念。ソバの試験栽培を試みる。農地を放置し荒れ野にするのは心苦しい。働くのは人間の生きがいだ。だが、消費者との確かなつながりを失い、売れる見込みのないソバを作り続けるむなしさ、徒労感はいかばかりか。

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