九州新幹線10年「潜在需要を掘り起こした」

 九州新幹線鹿児島ルートの全線開通10年を前に、民間シンクタンクの九州経済調査協会(福岡市)、地方経済総合研究所(熊本市)、九州経済研究所(鹿児島市)は2日、全線開通の効果と影響についての共同研究結果を発表した。熊本、鹿児島県と山陽3県(山口、広島、岡山)間のJRと航空の輸送人数の合算が、2018年度は10年度の2倍超になるなど、「潜在的な移動需要の掘り起こしに寄与した」としている。

 九州新幹線は11年3月12日、博多-鹿児島中央間の全線で開通した。発表によると、18年度の熊本・鹿児島-山陽3県の航空も含めた輸送人数は10年度比で2・12~2・27倍。同-京阪神3府県(兵庫、大阪、京都)も10年度比で33~40%増えた。

 九経調調査研究部の大谷友男次長は「新幹線は本数の多さに加え、飛行機との価格競争が促され、移動人口増につながった。既存のパイの奪い合いではなく、新たな需要を喚起した」と分析している。

 沿線3県(福岡、熊本、鹿児島)に本社を置く企業へのアンケート(回答321社)では、全線開通が支所の新規開設など機能強化に影響したと答えた企業は43・3%。一方、開通が支所閉鎖や縮小などに影響したとする割合は14・5%にとどまった。

 出張時の移動手段に変化があったとの回答は、全体で46・1%。九州内では車から新幹線への転換が目立った。九州外への出張でも新幹線利用が増えたとの声があった。 (吉田修平、布谷真基)

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