引火するの? セルフGSで「携帯禁止」の理由

 「セルフのガソリンスタンドで、携帯電話を使用しながら給油しても引火しないのか」。西日本新聞「あなたの特命取材班」に、そんな疑問が寄せられた。スタンドに行くと「携帯電話使用禁止」との注意事項が目に入る。静電気が原因とみられる火災も毎年のように発生してきた。給油中、スマートフォンなどの電子機器は電源を切り、車内に置いておかないといけないのだろうか。

 消防庁危険物保安室によると、2015年までの10年間で、セルフスタンドでの給油中の火災は約40件発生。一部が静電気由来とみられ、利用者の服や体にたまった静電気の火花が、給油口から立ち上るガソリンの可燃性蒸気に引火した可能性がある。こうした火災を防ぐため、多くのスタンドには静電気除去シートなどが設置されている。

 一方でスタンドでは近年、従業員が業務でタブレット端末などを使う機会が増えている。そのため消防庁は、スマホなど携帯型電子機器について実験で検証。すると、可燃性蒸気の中で電子機器を使ったとしても、電流が弱いため引火しないことが分かった。機器を落下させても火花は発生しなかった。

 これを踏まえて消防庁は18年8月、「通常の状況下であれば、給油所で使用しても安全上支障がない」と都道府県などに通知。これまで、スマホなどから引火したとみられる火災事例は、国内では確認されていないという。

 スタンド側の対応はどうだろうか。

 出光興産(東京)は、給油中に携帯電話を使用しないように注意書きを掲出。その理由を「注意散漫となり、事故に結び付くのを防ぐのが目的」と説明する。同じく禁止を呼び掛けているコスモエネルギーホールディングス(同)も「そもそもガソリンは危険物。噴きこぼれなどがないよう細心の注意が必要だ」と理解を求めている。

 歩きスマホならぬ“給油スマホ”も思わぬトラブルのもと。消防庁も「電子機器使用の安全性が確認されているとはいえ、利用者には給油中の操作は必ず控えてほしい」と強調している。(竹次稔)

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