「二つの危機」黙殺された警鐘 10年前の教訓とは

【東日本大震災10年 コロナと3・11】

 不都合な「警鐘」だったのだろうか。厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織の会合で、ある専門家が提出した感染シミュレーションの資料が「非公開」として回収された。1月6日のことだった。

 当時、東京都の新規感染者数は千人超。翌日には菅義偉首相が緊急事態宣言の再発出を表明する段取りを固めていた。政府は経済への打撃を最小限に食い止めるため、営業時間の短縮要請を飲食店に限定するなど、対策を絞り込むことにしていた。

 シミュレーションはそんな政府の方針と相いれない内容だった。感染状況の推移を予想したグラフは、飲食店を中心とする対策だけでは、2月末になっても都内の新規感染者数が、1日千人を下回らない可能性を示していた。

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