遺骨の眠る土「辺野古に使うな」ハンスト貫く

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に伴う名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事に、防衛省が沖縄戦の激戦地だった本島南部の土砂を使おうとしていることに批判の声が高まっている。戦没者の遺骨収集を行う具志堅隆松さん(67)=那覇市=もその一人。「遺骨混じりの土を基地建設に使うのは犠牲者の尊厳を踏みにじる行為」と憤り、ハンガーストライキを始めた。

 4日昼すぎ、那覇市の県庁前。日よけのテント内で具志堅さんは医師の診察を受けていた。1日朝から、土砂採取計画の断念を求めて断食の座り込みを始めた。脈拍も血中の酸素濃度も異常なし。「まだまだ大丈夫。何とかして計画を止めたい」

 防衛省は昨年4月、辺野古沿岸部の埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事を行うため、県に設計変更を申請。その中で、埋め立て土砂の調達先として本島南部の糸満市と八重瀬町を追加した。申請書によると約2018万立方メートルの土砂が必要で、大部分は岩石を破砕した土砂。県内で採取可能な約4500万立方メートルのうち7割を占めるのが両市町だった。

 沖縄戦で米軍に侵攻された旧日本軍は持久戦に持ち込むため首里(現那覇市)の司令部を捨てて南部に撤退。この結果、県民の4人に1人が犠牲になったとされ、日米合わせた死者数は20万人を超える。

 具志堅さんは28歳からボランティアで遺骨収集を始め、今も休日には当時の避難壕(ごう)や雑木林に入り熊手で土を掘る。遺骨は今なお見つかると言い「採取地になるような緑地帯には残されている可能性が高い」。昨秋に遺骨を見つけた場所が採取地となる可能性があり、危機感を強める。

 国は採取地は未定とした上で、採取地となった場合も遺骨には配慮する、としている。ただ、具志堅さんは「米軍によって殺された住民や日本兵の血や肉が混じった土で新たな米軍の基地が造られるのは非人道的で理不尽だ」と話す。

 具志堅さんはハンストを通じて全国の戦没者遺族にも訴え掛ける。「沖縄戦では本土から来た日本兵もたくさん犠牲になった。今も眠る遺骨はあなたの親族のものかもしれない。その土が使われることを許せますか」 (那覇駐在・高田佳典)

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