古さと新しさが共存 城下町の趣を今に伝える

エキマチ 福岡市営地下鉄開業40年 唐人町駅(中央区)

 福岡藩ゆかりの史跡や名所が多く、城下町の趣を今に伝える福岡市中央区の唐人町。地名の由来は不詳だが、古くから北側の海は外国からの入り口だったとされる。市地下鉄唐人町駅そばの唐人町商店街は、参勤交代に使われた旧唐津街道に位置し、往時の面影を残す老舗がたたずむ。

 その一つが1717(享保2)年創業の「加美家製菓」。杯型の「黒田武士煎餅」が有名で、15代目の紙谷睦和(ともかず)さん(80)が昔ながらの変わらぬ味を守り続ける。一方で、周辺環境は変化を続け、隣接の店舗跡がマンション建設予定地になるなど、古さと新しさが入り交じる。

 地下鉄開業時は駅と商店街を地下街でつなぐ構想、現ペイペイドームの建設時には駅とドーム周辺をモノレールでつなぐ計画が浮上。いずれも実現しなかったが、「住民が街の活性化を模索するきっかけになった」と紙谷さん。その土壌は次世代に継いでほしいと願う。

 商店街振興組合の大川内斉理事長(50)が教えてくれた地域のスポットの一つを目指した。駅から北西に約200メートル。ドームに向かう道沿いに黒い小さな石碑があった。見覚えある形は乳酸菌飲料のヤクルト。ヤクルト本社(東京)によると、ここは「創業の地」。乳酸菌の強化培養に成功した代田稔氏の理念に賛同した初代社長らが1935年、ヤクルトの製造販売を始めた地域だという。

 「ヤクルト」の名称は世界共通語のエスペラント語でヨーグルトを意味する「ヤフルト」に由来し、「健康という世界共通の願いが込められている」と同社。古くから海外に開かれた地は、その願いを発信するのにぴったりだったのかもしれない。 (豊福幸子)

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