親の老後、悩みは根雪のように

 今年は雪が多い、と秋田で一人暮らす母が電話のたびに漏らす。愚痴を言いたくなる気持ちも分かる。長い冬の間、母は夜明け前から夜更けまで数時間おきに雪をかく。雪は重い。1回にまとめて、とはいかない。年々重荷になっているのが伝わってくる。

 10年前に書いた連載「親おもい? ひとりで介護」が、ニュースサイト「西日本新聞me」に再掲された。遠方で暮らす親の老後にどう向き合うか。当時抱えていた不安を、自分と同じ一人っ子たちに聞いた。当時の不安は解消するどころか、10年という歳月を経て、なお根雪のように残っている。

 連載をしたころ、実家では近所で一緒に雪かきをしていた。過去形なのは住人の高齢化が進み、助け合えなくなったからだ。自助や地域の共助の限界が見えつつある。明確な答えを見いだせないまま、今はただ雪国の遅い春到来を願うことしかできない自分が情けない。 (佐々木直樹)

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