「香港への外部の干渉防ぐ」中国、民主派排除鮮明に

 【北京・坂本信博】中国の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第4回会議が5日、北京で開幕した。李克強首相は政府活動報告で香港問題について「外部勢力の干渉を断固防ぐ」と強調。全人代で香港の選挙制度を見直し、民主派を排除する姿勢を鮮明にした。2021年の国内総生産(GDP)成長率の目標は「6・0%以上」とし、2年ぶりに目標を復活させた。21~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」の成長率目標は設定しなかった。

 香港の選挙制度見直しは、共産党体制に反発する民主派の当選を困難にする狙い。全人代の王晨・常務委員会副委員長は提案理由の説明で「香港の選挙制度は明らかな欠陥があり、反中勢力が香港の統治権を握る機会になっている」と述べた。具体策として、香港トップの行政長官を選ぶ選挙委員から、民主派が多数を占める区議会(地方議会)議員を排除する案や、「愛国者」でなければ立法会(議会)選挙に立候補できない仕組みの導入などが取り沙汰される。

 国防予算は前年比6・8%増の1兆3553億4300万元(約22兆6千億円)を計上し、米国に次ぐ世界第2位の水準を保った。伸び率は前年(6・6%)を上回り、日本の21年度防衛予算(5兆3422億円)の4倍強。対立が深まる米国に軍事力でも対抗する姿勢を示した。

 李氏は新型コロナウイルス対策で「重要な戦略的成果を挙げ、世界の主要国で唯一プラス成長を実現した」と自賛したが、21年の成長率目標はコロナ禍前の19年の「6・0~6・5%」より事実上引き下げた。市場では、今年の中国の経済成長率は8%程度と見込まれる。海外のコロナ禍や米中摩擦の影響を考慮して確実に達成できる目標を設定したとみられる。

 5カ年計画については「毎年の状況に応じて目標を打ち出す」と説明した。5カ年計画でGDP目標を示さないのは異例。内需拡大を軸に世界経済とも連携する「双循環」を推進し、科学技術振興に向けて社会全体の研究開発費を年平均7%以上増やすと表明した。

 李氏は「環太平洋連携協定(TPP)の参加を前向きに検討する」とも述べた。習近平国家主席の終身支配への布石とみられる35年までの長期目標は「1人当たりGDPを中等先進国並みに引き上げる」とした。

 会期は11日まで。閉幕後に李氏が記者会見する。

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