危険察知し、白杖に振動 視覚障害者支える「眼鏡」

 視覚障害者が鉄道駅のホームなどで安全に歩けるよう支援する機器の実証実験が5日、北九州市八幡西区の筑豊電気鉄道黒崎駅前駅であった。機器は、眼鏡に組み込んだカメラでホームの点字ブロックを検知し、危険な状態と判断すれば視覚障害者が持つ白杖を振動させる。音で歩行の支援を行う機器はあるが、振動で危険を伝える機器は珍しいという。2021年度末までの発売を目指す。

点字ブロックに直角に近づくと…

 機器は、九州工業大大学院出身の和田康宏さん(43)が起業した福祉機器会社「マリスクリエーティブデザイン」(東京)が開発中。音による警告では、駅の騒音などで聞き逃すことがあるとの視覚障害者の声を受け、振動する装置を白杖に装着。専用の眼鏡と無線でつないでいる。真っ暗でなければ、夜でも使えるという。探求者などの意味を込め「seeker(シーカー)」と名付けた。

 実験では、点字ブロックに向かって直角に近づくと、ホームの端から1・5メートルほどの距離で白杖が振動。一方、点字ブロックに並行して歩くと同じ距離でも誤作動しなかった。今後は、道路の信号を認識する機能も追加する予定。

ホームからの転落、19年度は61件

 開発には和田社長の恩師で福祉工学が専門の和田親宗・九工大大学院教授が協力しており、北九州市や東京都のスタートアップ支援事業にも採択されている。

 国土交通省のまとめでは、視覚障害者のホームからの転落は19年度に全国で61件発生。実験に参加した視覚障害者の男性(60)は「駅は視覚障害者にとってとても危険な場所。駅ではさまざまな音が鳴るので、振動で知らせてくれるのは良い」と話した。

(古瀬哲裕)

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