有るのは希望 ! 選挙ポスター 記者がつくってもらった

 1月の佐賀唐津市長選と同市議選を皮切りに、今月は上峰町長選や小城市長選が投開票の予定で、その後も県内では選挙が続く。候補者を紹介するポスターは印象に残るものも少なくないが、どうやって作製しているのだろうか。数多くのポスターデザインを手掛ける佐賀広告センター(佐賀市)に記者(29)を候補者に見立てたポスターをつくってもらった。

「1番の目的は名前を覚えてもらうこと」

 県選挙管理委員会によると、公職選挙法に基づき、ポスターの大きさは原則、長さ42センチ、幅30センチ以内と決められている。サイズ内であれば、顔写真の有無やカラーかモノクロかも自由。円やひし形でも問題ない。

 デザインを考えてくれたのは、政治家のポスター作りに携わって30年以上になるという同社取締役の宮副(みやぞえ)直記さん(60)。駆け出しの地方議員からベテラン国会議員まで、県内のさまざまな政治家のポスターデザインを手掛けている。記者のポスターを例に作製のポイントを教えてもらった。

 「ポスターの1番の目的は、有権者に名前を覚えてもらい、投票用紙に書いてもらうこと」(宮副さん)。姓の「野村」は画数が多いため、ひらがなに。かといって全てひらがなでは政治家らしさに欠けるため、「有るのは、希望!」とするキャッチコピーに合わせ名は漢字で表記した。

コロナ下、SNSへ導くQRコード必須

 他の候補者との違いを際立たせることも大切だ。宮副さんは「20代という若さで、候補者が少ない女性」という点をアピール。よりよい社会を目指して取材活動する新聞記者という職業も有権者の判断材料になる。絞った字数でわかりやすく経歴を盛り込んだ。

 これからの選挙ではウェブでの情報発信も重要。新型コロナウイルス下の選挙では大人数の集会が難しいため、ホームページやSNS(会員制交流サイト)を見てもらうことが鍵になる。ポスターにQRコードを載せるのは必須だという。

 宮副さんが実際に手掛けた政治家の選挙ポスターを見せてもらった。高齢の政治家は爽やかなストライプ柄のシャツを着用して若くみせている。親しみやすさが持ち味の政治家は自転車に乗った写真で地域を回る様子を表現する。有権者の記憶に残すため、さまざまな工夫を施す。宮副さんは依頼を受けると、髪形から服装、写真の構図までプロデュースする。

 とはいえ、やはり当選するには、世の中を良くしたいという気持ちが一番大切。「選挙はなんとなくでは通用しない厳しい世界ですが、高い志のある方は全面的にバックアップします」

 (野村有希)

初当選のある市議は…準備重ねた3カ月間

自家用車を改装した選挙カーで地域を回る井上さん

 ポスター自らデザイン、選挙カーは自家用

 選挙活動はポスターだけでなく、街頭を回る選挙カーやはがき、ビラ作製など、さまざまな作業が必要だ。1月の唐津市議選に初めて出馬し、当選した井上裕文市議(38)に、どんな準備をしたのか聞いてみた。

 昨年11月末で通信社の記者を辞め、市議を目指した井上さん。市販されている立候補のノウハウ本を参考に、約3カ月かけて準備した。節約のため、ポスターやはがきなどは専用のソフトなどを使って自分でデザイン。「髪形やネクタイの色など、納得がいくまで何パターンも試した」と振り返る。

 市内約340カ所の掲示板へのポスター貼りは、他の新人候補者たちと協力して貼り、自家用車を改装した選挙カーで市内を回った。選挙費用は、告示日前の活動費も含め約200万円だったそうだ。

 結果は2280票を獲得し、新人では3位での当選となった。「1票1票の重みを感じました。名前を書いてくれた人に感謝したい」。記者経験を生かし、住民目線のまちづくりを目指す。

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