"酔客の土産"愛され半世紀 文化街の甘栗店閉店 久留米

 久留米市の繁華街「文化街」の一角にあり、長年親しまれてきた名物甘栗店「いとまん ヤマダの甘栗」が閉店した。1970年頃に創業し、酔客のお土産としても愛されてきたが、新型コロナウイルスで売り上げが減少。半世紀にわたる歴史に幕を下ろした。

 2代目店主の山田正人さん(74)=同市上津町=によると、「ヤマダの甘栗」は1960年代の終わり頃、現在のくるめりあ六ツ門(同市六ツ門町)の場所でボタン店「いとまん」を経営していた父親の善蔵さんが、店の隣で甘栗店を開業したのが始まり。1、2年後に文化街に2号店を構え、ほどなくして、商業ビル再開発のためボタン店と1号店は閉店した。

 その頃から、文化街にはスナックやバーなどの飲食店が増加。正人さんは「行きはスナックの店員に甘栗を買い、帰りは家族に買って帰るお父さんが多かったね」と懐かしむ。忘年会シーズンには店に行列ができ、妻にも手伝ってもらうほど繁盛した。大通りに面した場所にあるため、飲み会帰りの客がタクシーを呼ぶ際の目印として定着したほか、成人式があった夜は待ち合わせの新成人であふれる場所にもなった。

 しかし、文化街の人通りは減少の一途をたどり、ここ10年ほどは急速ににぎわいが消えた。売り上げの右肩下がりが顕著になり、そこへ新型コロナに追い打ちをかけられた。開店時間を午後3時に繰り上げるなど模索したが売り上げは回復できず、1月22日を最後に閉店とした。正人さんは「さみしいけど時代だから仕方ない。これまでご愛顧いただき、ありがとうございました」と感謝を口にした。 (平峰麻由)

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