「学生寮は無限の可能性」糸島住民との絆育む

九大生向けシェアハウス型の寮を運営 大堂良太さん(38)=福岡県糸島市

 「地域にひらかれた学生寮で、寮生の成長を後押ししたい」-。こんな思いで、大手総合商社を脱サラ後の2017年秋から、糸島半島でシェアハウス型の学生寮「熱風寮」の運営に挑んでいる。

 この春、新たに2棟を開設し、空き家や古民家を改修した寮は計6棟に。九州大伊都キャンパス(福岡市西区、糸島市)の学生向けで「同じ釜の飯を食べることで生まれる固い絆、移住者を含むユニークな人材との出会い、地域住民とのつながりなどが、学生の豊かな人生につながる」と考えている。

 熊本県出身。九大理学部、同大学院在学中のほとんどの期間、寮で過ごした。当時、「地域のお兄さん、お姉さん」として、寮生は「寺子屋」やサマーキャンプの運営にも注力。寮、そして寮の地元は、第2の実家であり、故郷になった。

 商社マン時代も「九州に戻り、地域に貢献したい」という思いを抱き続けていた。自身の体験を踏まえた人生を豊かにする“実験場”と位置付けるのが、糸島市に移住して半年後、家族の理解もあり運営を始めた熱風寮だ。

 糸島市の中心市街地で3月から入居できるようになった6棟目「熱風寮・前原西」は、新たな試みとして、学生・社会人混住型の「起業家シェアハウス」。築130年を超える民家を仲間の手も借りて改修した。「九大生の中でも将来、地域に根ざした仕事をしたい、ユニークなスキルや経験を学生時代に身に付けたい人に集まってほしい」。移住者の起業家や、起業予備軍も集うことによる「双方にとってプラスの化学反応」に期待。既に7人の入居が決まり、空きは残り1部屋だ。

 理事を務める一般社団法人「糸島よかとこラボ」は、熱風寮・前原西のコンセプト同様、九大生と地元企業をつなぎ、共同プロジェクトなどを展開するプラットフォーム「糸島九大オープンラボ(IQOL=イコール)」を昨年秋に創設。「学生に将来の活躍に向けた成長機会を、地元企業には九大生の視点と行動力を提供する場」として活動している。寮生は、寮そばにある同ラボのコワーキングスペースも利用できる。

 各熱風寮では、ミスマッチを避けるために入寮前の丁寧な面談も。自身も学生のライフプランなどの相談に応じている。「寮には無限の可能性がある。学生の成長ステージに合わせ、糸島で知り合った多彩な人材の力も得て、学生の成長を手助けしたい。何が生まれるか楽しみです」。 (竹森太一)

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