コロナの打撃続く長崎の水産業 通販に光

 長崎県内では今月になって新規感染者ゼロの日が続く新型コロナウイルス。外出自粛要請も解除され日常が戻りつつあるように見えるが、水産業への打撃は続いている。首都圏1都3県の緊急事態宣言が21日まで再延長され、東京などに出荷している高級魚などの消費の回復が見込めないためだ。「市場に出しても半値以下」と諦めの声が漏れる中、インターネットによる通信販売は好調な売れ行きを示している。

漁業者「先行き見えない」

 対馬の近海で取れ、高級魚として知られるアカムツ(ノドグロ)やアマダイの魚価もコロナ禍で大きく下げた。「市場に出しても例年の半値以下の値しかつかない」。対馬地区漁業士会会長の早田真路(しんじ)さん(54)は嘆く。

 対馬市上県町でアカムツやアマダイの開きなどを加工、販売する水産加工品直売店の代表で、アカムツ漁船の乗組員でもある早田さん。自宅近くの鹿見(ししみ)漁港から沖に30~40分ほど船を走らせた海域にアカムツの漁場はある。

 アカムツは2~5月が旬。はえ縄漁で漁獲し、餌は切り身のサバ。1回の出漁で漁船の油代は1万円ほどかかる。以前は小ぶりのものでも市場でキロ単価4千円の値が付いていたが、半分の2千円にまで落ち込んだことも。関東方面の百貨店からの注文も大きく減った。一方、加工品のネット通販は好調で「減収を避けることができた」と早田さん。

 対馬は全国有数のアナゴ産地でもある。漁では餌(スルメイカ)代が年間900万円を超えても利益が出ていたが、コロナの影響が広がってからはキロ単価1200円が半値以下の400円ほどに落ち込んだこともあった。

 先々の不安が大きいのはマグロ養殖業者も同じだ。こちらも出荷が大きく落ち込み、餌代だけでも大きな負担になっている。

 「先行きが見えなくて不安」「単価が安く、漁に出る気分にもなれない」。漁業者からはそんな声も聞かれるという。 (平江望)

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