警察が通告、親族も相談…児相の対応を検証へ

 福岡県篠栗町で昨年4月、5歳の男児を餓死させたとして保護責任者遺棄致死容疑で母親の碇(いかり)利恵容疑者と知人の赤堀恵美子容疑者が逮捕された事件で、福岡児童相談所や篠栗町は、碇容疑者の一家を見守り対象にしていたが、事件を防ぐことはできなかった。県は8日、児相や町の対応が適切だったのか、第三者による検証を行う方針を明らかにした。

 町などによると、2019年9月以降、翔士郎ちゃんが通った幼稚園や兄2人の小学校から「子どもが痩せている」との情報提供があった。同11月、翔士郎ちゃんが園を休み始め、町や児相でつくる協議会は一家を見守り対象に決めた。

 関係者によると、町の担当者が接触を図ったが、赤堀容疑者が「母親は対人恐怖症だ」と間に入ったり、家庭訪問に抗議したりすることがあり、碇容疑者から十分に事情を聴くことが難しかったという。

 児相は、県警から「心理的虐待や育児放棄(ネグレクト)の疑いがある」との通告を受け昨年3月11日、碇容疑者宅で翔士郎ちゃんと接触。「一見して傷やあざはなく、はきはきと話した。顔色も良かった」として、危険度の段階を最も低い「C」と判断していた。

 同12日から亡くなる10日前までには、碇容疑者の親族から「子どもたちが元気にしているか確認してほしい。こちらで引き取りたい」と複数回にわたり相談を受けたが、改めて訪問することはなかった。

 元児相職員で福岡市子ども家庭支援センター長の河浦龍生さんは「幼児の体重が減っているというのは、重い虐待を疑うべき事案。幼稚園に来なくなる、母親から話を聞けないなど、一時保護などを検討すべきタイミングは何度もあった。児童虐待の基本が理解されていない対応と言わざるを得ない」と批判する。

 福岡児相の森本浩所長は西日本新聞の取材に「亡くなったことを重く受け止め、もう少しできたことがないのか検討する必要があると思っている」と話した。 (古川大二、長松院ゆりか)

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