離れて考え、見えた「復旧」と「復興」の違い
【東日本大震災10年 4年2組 20歳の肖像③】阿部未乃萌さん―
商業ビルをつなぐ高架歩道をマスク姿の人々が行き交う。今、JR仙台駅周辺を見渡しても東日本大震災の影はない。「被害が少なかった地域に行けば行くほど“復旧”はしてるじゃないですか」。復旧と復興は違う-。阿部未乃萌(みなも)さん(20)は、子ども時代を最も長く過ごした福島県南相馬市に思いをはせる。
父の転勤で転校が多く、南相馬の原町第三小へ転入したのは小学2年の春。翌年に水泳スクールの上級に上がり、厳しい練習が始まった。土日もなく家に帰れば宿題と通信教育。そんな中で、同じ顔ぶれで3年から持ち上がった4年2組は、唯一の「息抜きできる場所」だった。
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