87種類の果樹を育てる「フルーツ公園」【花畑園芸公園・福岡市南区】

※記事は2016年7月23日付本紙朝刊から。文中の年齢、肩書、名称などの情報はすべて掲載当時のものです※

鳥の声 風の音 楽しめる

 福岡市・天神からバスに揺られて約40分。同市南区の柏原地区は、油山(標高597メートル)の山裾が多くの一戸建てのすぐそばまで迫る静かな住宅地だ。その一角にある「花畑園芸公園」は、87種類、約1300本の果樹を育てる「フルーツ公園」として親しまれてきた。

 「花畑園芸公園入口」バス停で降り、桧原運動公園野球場の横を抜けると、夏の濃い緑あふれる公園の入り口。園内に向けて桜並木が続いており、春は絶好のお花見スポットになるそうだ。

 強い日差しが降り注ぐ中、5人の職員が、福島県産の桃「あかつき」を収穫していた。「今季の桃はこれが最後」と大事そうに両手でもぎり、丁寧にケースに並べていった。収穫した桃はすぐに選果。一級品は2個450円で、園中央の展望台1階にある「花畑マルシェ」に並べた。

 花畑マルシェは、園内で収穫した果物を販売する売店。採れたての新鮮さとリーズナブルな値段が売りで、リピーターも多いという。桃だけでも収穫時期が違う5品種を栽培しており、日によって店に出される品種も変わるので、ホームページで告知をしている。

 かつてこの場所は県の園芸試験場だったそうで、1984年に公園として生まれ変わった。約14・7ヘクタールの敷地面積は、福岡ヤフオクドーム(同市中央区)の約2倍。春には梅やサクランボ、夏には桃、ブドウ、秋にはリンゴ、ミカンなど、年間を通してフルーツを楽しめるほか、アーモンドや「幻の果物」といわれる北米原産のポポーなどを栽培する「珍果樹園」もある。

 また、定期的に園芸講座を開くなど「学び」にも力を入れる。果樹や野菜、花の栽培方法を教えるコーナーも設けており、電話や直接来園など月間600件以上の相談が寄せられているという。現役農家でもある指導員の男性(62)は「現場で培った知識を伝えていきたい」と語る。

 年間約20万人が来園するといい、平日だったこの日も、近くの人たちや園児たちが思い思いに散歩をしたり、芝生広場を駆け回ったりして自然との触れ合いを満喫していた。

 高さ15メートルの展望台に登ってみる。上部は標高90メートルに相当するそうで、福岡タワーまで一望でき、通り過ぎる風も心地よかった。

 「『ここには鳥の声、風の声を聞きに来た』と来園者に聞いてハッとした」と、副所長の男性(62)は言う。以前、園内にBGMを流すことを検討していたが「自然の音が魅力なんだ」と思い直したとか。

 秋には「みかん狩り」や露店が並んでさまざまな催しがある「園芸まつり」が開催され、多くの人でにぎわう。副所長は「訪れたことのない市民も多くいる。もっと親しまれる公園にしていきたい」と意気込んでいる。

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 花畑園芸公園は入園無料。毎週月曜日(祝日の場合は翌日)が休園。電話=092(565)5114。園芸相談=092(566)3987。

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