大胆なタッチ絶賛 小6の墨絵が"東京デビュー"

 中度の知的障害がある鳴水小(北九州市八幡西区)特別支援学級の6年内村奬秀(そうしゅう)くん(12)が手掛けた墨絵が、東京都渋谷区の東急プラザ渋谷で2月に開かれたアート展「やり続ける先に見えるもの展」に展示された。力強さが感じられる作品でタイトルは「笑顔」。奬秀くんは展示されたことを「楽しかった」と語り、父勇詞さん(49)と母典子さん(45)は「本人の自信になり、何かに挑戦しようという気持ちが強くなった」と喜んでいる。

 奬秀くんは2019年春から、一般社団法人キャリアサポートクラブ(八幡西区)が対人関係が苦手な人らを対象に月1回のペースで開く「アートワークショップ」に参加、絵の創作などに取り組んでいる。今回の墨絵は昨年8月の同ワークショップで特殊な筆を使って描いた。講師を務める画家で福岡県美術協会会員の藤尾修二さん(65)が「大胆さがあり、すばらしい」と評価したことが、同展への応募のきっかけとなった。

 同展は2月13日から28日まで開かれた。東京大先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授やコピーライターらでつくる実行委員会と、観光支援施設「shibuya-san」(渋谷区、事業主体は東急不動産)の主催。「誰かに評価されるためではない、自分が描きたいことをひたすらに描いた」作品を募集し、奬秀くんの作品を含め104点が東京や鹿児島など各地から集まった。

 当初は選考して10点程度を展示する予定だったが、104点全てが「見る側の心を打つものがある」と思わせる作品だったことから、全作品をパネルとモニター画面で紹介した。

 奬秀くんは絵だけなく、約2年前から日本舞踊にも打ち込んでいる。今回の墨絵を仕上げる直前の昨年7月末には飯塚市の嘉穂劇場で日本舞踊を披露する機会もあった。「生き生きと踊っていた。その勢いのまま墨絵も描いた」と典子さん。墨絵のタイトルが「笑顔」なのは「大好きな日本舞踊で、見てくれる人たちを笑顔にしたいという奬秀の思いを表現したものだから」と説明する。

 奬秀くんは日本舞踊や墨絵で、多数の人から「すごいね」と評価されたことから自尊心が高まり、路線バスに1人で乗るなど、これまでできなかったことに一層挑戦するようになったという。 (西山忠宏)

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