幽霊階段? トンネル壁面に残る仮駅時代の名残

エキマチ 福岡市営地下鉄開業40年 博多駅(博多区)

 天神方面からの列車が博多駅に到着する直前、右側の車窓からトンネル壁面を眺めていると、天井に向かって伸びる白い階段のような影が目に入った。博多駅で折り返し、車窓の外を確認するが、見当たらない。見間違いか、それとも幽霊階段か-。

 「幻ではなく実際にありますよ」。福岡市交通局の稲田剛計画課長が現場の写真を見せてくれた。博多駅に向かう線路を挟んで右側に階段のような白い線、左側には斜めにまっすぐ伸びた白い線が確認できる。「博多駅は延伸開業してしばらく仮駅で、この場所にホームがあったんです。白い線はホームとコンコースを結ぶ階段とエスカレーターの跡ですね」

 空港線が博多駅まで延伸したのは1983年3月。新幹線や国鉄鹿児島線直下の難工事だったこともあり、地下鉄の駅舎は間に合わなかった。予定通り開業するため、祇園駅側約300メートルの場所に設けられたのが博多駅の仮駅。博多方面に向かう線路上に約130メートルのホームを仮設した。現在の博多駅と祇園駅を結ぶ地下歩道の4番と8番の出入り口付近に改札があった。

 仮駅が使われたのは、「本駅」が完成する85年3月までの2年間。「期間も短く、福岡市は住民の入れ替えも多いため、知る人ぞ知る存在。交通局でもトンネルを点検する職員や運転手以外は知らないんじゃないか」と稲田課長。

 1日の乗車人員は約8万2千人(2019年度)に上る地下鉄博多駅。22年度には七隈線が延伸予定で、地下街や地下駐車場などの下に新たな構造物を建設する、空港線延伸以来の大工事が進む。

 仮駅時代の名残は、今も昔も変わらない博多駅周辺の工事の難しさを伝えてくれる存在かもしれない。 (泉修平)

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