残業378時間…“ブラック霞が関"の働き方改革は

東京ウオッチ】暴いた安達澄参院議員に聞く

 残業378時間…。1カ月間、休むことなく毎日12時間残業しても、この数字には届かない。一体、いつ寝ているのか-。政府への質問主意書で内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室(コロナ室、102人)の勤務実態を暴いたのは、無所属の安達澄参院議員(51)=大分選挙区、当選1回。「ブラック化」している霞が関の働き方改革を実現するためにどうすればいいのか、安達氏に聞いた。

トップのマネジメントに問題

 -なぜ、質問しようと思ったのですか。

 「議員になって1年7カ月。官僚の労働環境や仕事は過酷で、忙し過ぎる。政策のプロ集団が、無用な負荷をかけられているのではないか。これは回り回って国民を不幸にしてしまう。負のスパイラルを変えなきゃいけないと思ったからです」

 -閣議決定されて出てきた政府の答弁書を見て、率直な感想はどうでしたか。

 「びっくりですよ。河野(太郎行政改革担当相)さんも『えっ、月で?』って、記者会見で聞き直してましたよね。それが普通の感覚でしょ。そういう働き方をさせているのは、やはりトップのマネジメントに問題があるわけですよ」

 「今回の質問主意書のタイトルも『西村康稔経済再生担当相の組織マネジメント等に関する質問』としました。組織のマネジメントを改めないと、全体のパフォーマンスは発揮できないはずです」

 -テレワークを推奨しながら、足元では全く実行されていませんでしたね。

 「これも驚きました。だって、西村大臣は2月の記者会見で『(テレワークできない)言い訳は通じない』とおっしゃっていたのですから。聞いてみたら『ゼロ』ですよ。ずっこけるような話ですよね、国民からすれば。どう考えてもおかしいでしょ」

 -菅義偉首相が西村氏に改善を指示するという成果につながりましたね。

 「これで終わりではなく、結果がどうなるのか、当然フォローしたいし、しなきゃいけない。他の省庁でも似たような事例があるはずです。本来であれば、業務の選択と集中をすべきなのに、選択がなくて『あれもやれ、これもやれ』。例えば、デジタルだ、やれグリーンだと、どんどん新しい仕事が積み重なってきているように思います」

 「官僚の超過勤務の要因としては国会対応というのも非常に大きい。この質問主意書もそう。粗製乱造は絶対に駄目だし、ここぞというときに使うべきです。ただ出せばいいということではありません。国会議員が質問通告の時間を守らないこともそうです。当たり前のルールを守った上で仕事をしないといけません」

官僚とは対等、野党も節度を

 -でも、野党の合同ヒアリングにも冷ややかな視線があります。

 「野党の合同ヒアリングは、官僚に聞いても答えられないケースがあります。官僚からすれば『大臣に聞いてください』『首相に聞いてください』と答えるしかない。野党議員が官僚を強い口調で追及する姿勢には違和感を抱きます」

 「少なくともルールや節度を守る。官僚とは対等な関係、国民のために一緒に汗を流す仲間であるべきだと思うんです。物の言い方にしても、目線が違い過ぎるというか、本来ならば国民のために一緒に頑張らなきゃいけない仲間なのにそうじゃないのが現実です」

 -今後の議員活動で、どう対応していきますか。

 「首相が『見直す』とおっしゃったわけだから、具体的にどう変わったのかは当然、フォローしていきたい。三百何十時間はどうなったのか、テレーワークの実施状況や他の省庁でも気になるところがあれば、問いたい。大事なのは中身です。この業務は本当に必要なのか、政府の姿勢を見極めていきたいと思います」

   ◇    ◇

 安達氏の質問主意書に対する答弁書を政府が閣議決定し、公表したのは今月5日。首都圏1都3県の緊急事態宣言を21日まで再延長することが決まった日でもあった。官邸での首相会見に続いて西村氏も内閣府で会見を開いたものの、職員の超過勤務についての質問は受け付けなかった。

 週が明けた8日、改めて問われた西村氏は「5日の会見は夜遅くでありましたので私の発言のみにしましたけども、こういった形で私はいつでも質問を受けますので、何か逃げたりしたということではありませんから、ぜひご理解いただきたいと思います」と答えた。

 仕える官僚に配慮する姿勢を見せたが、西村氏の「マネジメント力」が本物なのかどうか、今後に注目したい。(河合仁志)

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