チッソが業績改善計画 構造改革や発電事業強化などで

 水俣病の原因企業チッソ(東京)は12日、患者補償に充てる資金の安定確保を目的とした業績改善計画を公表した。赤字事業の縮小などの構造改革や、水力発電事業の強化などで収支改善を図る。昨年5月、事業子会社の業績悪化を受け、関係省庁と熊本県による連絡会議が計画の策定を要請していた。

 チッソの事業部門を引き継いだ子会社JNC(同)は主力の液晶事業が中国メーカーとの競争激化で赤字に転落し、厳しい経営状況が続いている。

 計画によると、国内外の液晶製造拠点の集約で固定費を削減。役員報酬などの削減を継続するほか、早期退職や採用抑制などで人件費を抑制する。JNC水俣製造所は「重要な戦略拠点」と位置付け、雇用については「一時的に人員の適正化を図るが、業績改善後は地域からの新規採用を継続する」としている。

 堅調な水力発電事業は固定価格買い取り制度に対応させることで収益の柱とする。これらにより2024年度にJNC連結で55億円の経常利益を目指す。

 公的債務の返済枠組みを定めた政府の抜本的支援策で、基準となるJNC単体の経常利益は53億円だが、19年度決算は32億円で、20年度も基準を下回る見通し。連絡会議は今後、毎年度の決算報告をチッソから受け、改善計画の進捗(しんちょく)状況などを評価していくという。 (久知邦)

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