鎌倉から令和へ「元寇船」引き揚げ現実味 保存処理した部材公開

 鎌倉時代中期に長崎県松浦市鷹島町の沖合で沈み、2002年の引き揚げ後に保存処理が続けられていた元寇(げんこう)船の一部「隔壁板」が13日、同市立埋蔵文化財センターで報道陣に公開された。

 隔壁板は船底内部の仕切りに使われた部材で、長さ550センチ、幅70センチ、厚さ17センチ。腐敗を防ぐため、19年8月から糖質素材のトレハロースに浸されていた。

 この日は鷹島海底遺跡の調査で遺物の保存処理を主導する大阪市文化財協会保存科学室の伊藤幸司室長(59)や松浦市文化財課職員らが、トレハロースの槽からクレーンで隔壁板を取り出す作業を実施。分子量が小さいトレハロースを使った木製文化財の保存処理は「世界で初めて」(同市)で、ポリエチレンリコールを使う従来の方法に比べて期間を短縮でき、電気代なども軽減できたという。

 鷹島海底遺跡では2隻の元寇沈没船が確認されており、伊藤室長は「(トレハロースで)期間と費用の問題を同時に解消できた。沈没船自体の引き揚げが現実味を帯びてくる」と話した。隔壁板は送風機で乾燥させる作業が同センターで年末まで行われ、一般も見学できる。 (福田章)

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