聖火リレー、ハードル次々 密、辞退…自治体焦り

 東京五輪に向け、聖火リレーが25日に福島県をスタートする。大会組織委員会はランナーや沿道の観客に新型コロナウイルス感染が広がらないよう配慮を求めているものの、具体的な対策は自治体に委ねている。直前になって各地で相次ぐ著名人ランナーの辞退。九州を聖火が走るのは4月23日の大分県が皮切りだが、コロナ対策や新たなランナーの人選など九州の自治体も対応に追われている。

 スタートまで1カ月となった先月25日、組織委はリレーのガイドラインをようやく発表した。一般市民には居住する都道府県以外での観覧を控えるよう求めているが、沿道での観覧自粛までは呼び掛けていない。

 大分県の担当者は「観覧は禁止していないのに、密になれば中止するという。五輪を盛り上げつつ、感染拡大も防がなければならず難しい」と吐露する。

 同県は「安心安全」を目指し、リレー当日、新型コロナ感染を簡単に調べられる抗原検査を独自に実施する。対象は県内を走る計180人全員。検査には10~15分ほどかかり、派遣された看護師が対応する。感染の疑いがあれば参加を取りやめてもらい、前後の走者どちらかが2区間分走ることになるという。

 長崎県では、本土に比べて医療資源の乏しい対馬、壱岐、五島の離島地域にも聖火が渡る。担当者は「聖火を見るために本土から離島を訪れる県民は少ないと思うが、インターネット中継で見られることはしっかり周知させたい」と話す。

 ここに来て、著名人ランナーの辞退も各地で発表されている。熊本県では大相撲の正代関(宇土市出身)が「残念だが、本業をおろそかにできない」と、夏場所直前であることを理由に参加を断念した。県は後任を検討中だ。大分県もシンガー・ソングライター阿部真央さん(大分市出身)の辞退に伴い、補欠ランナーを充てた。九州北部の県の担当者は「著名人が辞退すれば新しい人を推薦するしかないが、その日が迫れば迫るほど難しくなってくる」と胸の内を語る。

 著名人が走る場所は密になりやすいため、公道ではなく、観覧者を制限できる競技場や公園などに変更されるケースが多い。福岡県も、場所を変えることになったという。

 今月9日には、約600人の著名人ランナーのうち、約100人の日程や場所の調整が済んでいないことも明らかになった。本番まで10日を切っても課題は山積みだ。

 (小林稔子、竹中謙輔)

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