ひりひり刺激の「薬湯」に挑戦【古賀市・偕楽荘】

 超刺激的な風呂があると聞いて、犬鳴連山の麓にある温浴施設「日帰りの湯 偕楽荘」(古賀市薬王寺)を訪ねた。売りは天然水に漢方薬草の成分を抽出した「薬湯」。独特なにおいが立ちこめる薄茶色の湯につかると、体がひりひりとしてくるそうだ。刺激を求めて、いざ入湯。

 午前4時。日もまだ昇らない山里で、薬湯づくりは始まる。2畳ほどの浴槽で生薬が調合された布袋を足でもみほぐし、エキスを抽出する。強い刺激臭にのどや鼻孔を襲われ、せき込む。無色のお湯がだんだんと薄茶色に染まっていった。

 袋の中身はウイキョウやシャクヤク、トウキ、トウガラシなど8種の薬草の粉末。男湯、女湯ともに1・5㌔の袋を1日3袋使用する。午前中の2袋を従業員と踏んでいた白石貴茂支配人(41)の額に汗が光る。「夜、家の風呂に入っても足だけ、ぽかぽかと熱くなるんですよ」。腰痛や神経痛、冷え性、あせもに効果があるとされる。

 効用を高めるためには体を洗い、少し湯で温まって入るのがいいという。記者もいよいよ挑戦だ。においには慣れて、肩までつかり、「大丈夫だな」と思った直後、下腹部がひりひりしてきた。皮膚の弱いところがちくちくと痛む。

 浴室の説明文にはこうある。「体力に合わせて3~10分」「この刺激こそが薬効のあらわれ。ひりひりしてくるのが正常」。しかし、我慢にも限界がある。2分も持ちこたえられず、一時退散。

 「あんた、初めてかい」。笑みを浮かべるベテラン勢。「最初の頃はみんな痛くなるから。握って入るべし」「この後、決してお湯に入ってはならない。温めるとさらに痛みが増す」「水風呂入って冷やすのが一番」…。次々と助言を受ける。漢方のにおいもあって、彼らが少林拳の師匠のような「強い男」に見えてくる。

 助言に従い、2回目。前回よりは耐えられたものの、それでも5分。休憩を挟みながら1日3度計9回の入湯がお薦めらしい。中には30分以上入ったままのつわものもいるが、初心者に無理は禁物。効用を高めようと、タオルで拭かずに露天風呂のそばでのんびり自然乾燥させた。その後、2時間は確かに体のぽかぽかが続いた。

 半身不随となり、良い治療法を求め続けた支配人の親類が「博多の奥座敷」と呼ばれるこの地で「みんなにも利用してほしい」と開業して30年。現在、九州ではここだけの営業となり、県外からも含めて年間利用者は12万人に上る。ミカン風呂やしょうぶ湯などさまざまな催しも企画。6月上旬までは、ホタルの光が露天風呂で楽しめる。

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