全日本剣道、コロナ対策「総仕上げ」 ルール面で新様式

 14日に無観客で男女同時に行われた剣道の全日本選手権は新型コロナウイルス感染拡大後初の全日本剣道連盟(全剣連)主催の全国大会となった。選手同士が密着し、大声を出し合う場面も多い競技。稽古や競技開催のために感染拡大防止対策を講じてきた全剣連は今大会を「総仕上げ」と位置づけて臨んだ。

 出場した男女各64選手は事前に抗原検査を受けて大会に臨んだ。試合ではマスクを着用し、面にフェースシールドも装着。全剣連の宮坂昌之アンチ・ドーピング委員長によると、マスクとシールドを併用すれば飛沫(ひまつ)を9割以上防げるという。

 マスク着用による体力消耗を考慮し、例年は4回戦以降で10分に延びる試合時間を全て5分に統一。時間無制限の延長戦も3分ごとに区切り、3回に一度、水分補給などのために5分間の休憩を入れた。選手の控え場所は名札を張った椅子の間隔を空けて置き、換気や消毒も徹底した。

 ルール面でも新様式を取り入れる。全剣連は飛沫が飛ぶつばぜり合いを極力避けるように指導。女子で優勝した福岡・中村学園女子高出身の諸岡温子(中大)は引き技が得意で変更当初は戸惑ったが、「(体の)当たり際で技を出す試合展開をイメージして練習してきた」と、準備をしたという。選手同士がつばぜり合いを積極的に解消する場面も目立った。

 昨年4月に警察の稽古でクラスター(感染者集団)が発生したこともあり、全剣連は6月に対人稽古のガイドラインを作成。夏場から今大会の審査会や地方予選でも感染予防に力を尽くしてきた。審査会や予選には計約1万人が参加したが、集団感染の報告は受けていないという。

 女子が9月、男子は11月に行われてきた大会を年度末の3月に延期して実施。それでも警察官は出場を見送った。全剣連の中谷行道専務理事は「残念だが、日本最高峰の大会を目指すのは警察官だけではない。剣道の良さを知ってもらう機会を提供したかった」と語った。男子で初優勝を飾った長崎・島原高出身の松崎賢士郎(筑波大)は学生の大会がなくなっただけに「参加させていただけるのは本当にありがたかった」と感謝した。 (伊藤瀬里加)

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