35人以下学級に全面移行 北九州市立小、4月から

 北九州市教育委員会は、2021年度から市立小学校の全学年で1クラスの定員を35人以下に引き下げる。市はきめ細かな指導が可能になるとして少人数学級導入を2008年度から積極的に進めており、3年生以下はすでに完全に実現、全学年で見ても90%以上のクラスで導入している。政府が21年度から全国の公立小学校で段階的に35人以下学級へ移行させる方針を決めたことから、市はこれに先駆ける形で35人以下学級への全面移行を実現させることにした。

 全面移行は4月からで、市立小学校全体で20年度に比べて30~40クラスが増える見込み。これに対応するため、市は20年度一般会計補正予算に教室の改修などハード面の費用として計約8100万円を盛り込んだ。中学校については1年で35人以下学級を実現させているが2、3年は当面40人以下学級を維持する。

 新型コロナ禍で教室の「密」を防ぐ必要もあり、政府は2月、公立小学校の1クラス当たりの上限人数を35人とする義務教育標準法改正案を閣議決定。21年度から学年ごとに引き下げていき、25年度に全学年で35人学級を導入する方針。同改正案は18日、衆院本会議で可決している。

 ただ教育現場では少人数学級を肯定的に捉える意見が多い一方、教員のなり手不足は深刻で教員をどう確保するのかが課題とされている。市内の現場からは「クラスの人数が少なくなると集団行動を学ぶ機会が減ったり、交友関係が狭くなったりする」(中学教諭)との懸念の声も出ている。各学校には、児童たちがクラスの垣根を越えた交流や行事を通して大人数で関わる機会を一層用意することが求められそうだ。

 市教委は、21年度に30~40クラスが増えるのに合わせて教員をどう確保するかについては、新規採用者数を増やすなどして対応するとしている。

 教育問題に詳しい熊本大の吉田道雄名誉教授(社会心理学)は市の取り組みを評価した上で「価値観が多様化しており、子ども一人一人に合わせた教育が求められる。少人数学級は先生が児童とよりしっかりと向き合うことができる。可能な地域は、35人よりもさらに減らすことも検討すべきだ」と話している。 (野間あり葉)

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