自粛明け桜並木に人波…宴会は控えめ再拡大警戒

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、福岡県が県内で要請していた飲食店の営業時間短縮と、不要不急の外出自粛が解除になった。22日、全国最速で桜が満開となった福岡市の公園には市民の姿が夜まで絶えず、歓楽街にも深夜の客足が戻ってきた。ただ、感染の再拡大は予断を許さない状況で、市民や飲食店関係者の間には日常生活が戻る期待の一方、不安もよぎる。

 桜の名所、同市中央区の西公園はスマートフォンで桜を撮影する人でにぎわった。県は、花見に伴う宴会を控えるよう呼び掛けており、シートを広げて花見をする人の姿はほとんど見られなかった。久しぶりの外出という早良区の女性(80)は「桜の柔らかい色にほっとした。持病があり、今後も外出には気を付けたい」と笑顔を見せた。

 園内の食堂「荒津亭」店主、永野茂さん(76)によると、外国人や団体が減り、利用客は例年の4割ほど。「テークアウトに力を入れ、何とか乗り切っている」と話した。

 花見の期間、福岡市は市が管理する全公園で宴会や飲酒を禁止。中央区の舞鶴公園では、注意を促す看板に加え、アナウンスが繰り返し流されていた。北九州市は小倉北区の勝山公園に警備員を配置し、ルールを守るよう声掛けを行う。

飲食店「客足すぐには戻らない」

 飲食店では、要請されてきた午後9時の閉店が解除された。福岡市中央区の居酒屋「夜半亭」は営業を午前0時までに延長。店主の三宅昭浩さん(56)は「徐々に予約が入っているが感染再拡大も心配。ワクチン接種が進み、早く日常が戻ってほしい」と願う。

 九州最大の歓楽街・中洲では午後9時を過ぎても多くの客の姿が。案内所の男性は「自粛明けの『ご祝儀』で飲みに来た客が多い」とみる。一方、ダイニングバー「バーイスナ」を経営する田崎淳さん(40)は不安と期待が半々と言い、「また感染が広がれば、営業のモチベーションにも影響する」と漏らした。

 北九州市小倉北区の焼き鳥店「権兵衛 小倉魚町店」は月末まで週末を除く日の閉店を1時間早める。経営者の高木雅史さん(46)は「客足がすぐ戻るわけではない。歓送迎会など団体客が入る見込みも薄い」と淡々と語った。

 福岡県の22日のコロナ感染者数は15人。前日より19人減ったが、要請解除の目安を20%未満としていた最大確保病床使用率は31・2%(21日時点)。変異株の疑いがある感染者も相次ぐ。県コロナ対策本部は「飲食店の対策が進んでも、感染を100パーセント防ぐことはできない。少人数で2時間以内の利用を重ねて要請したい」としている。

(金沢皓介、梅沢平、竹中謙輔、野間あり葉)

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