被災タクシー「定点」に刻む 雲仙・普賢岳大火砕流30年で整備

 長崎県の雲仙・普賢岳で1991年6月3日、消防団員や警察官、報道関係者ら43人が犠牲になった大火砕流で、取材拠点だった「定点」周辺の整備が終わり、22日に報道陣に公開された。慰霊や火山災害を学ぶ被災遺構として保存活用される。

 立ち入り制限区域で報道陣が取材を続け消防団員らが巻き込まれた「定点」には、遺族感情に配慮し、これまで白い木製の三角すいのモニュメントだけがあった。大火砕流から30年の節目を迎え、教訓を後世に伝えようと、地元の同県島原市安中地区町内会連絡協議会が一帯を整備した。

 普賢岳の溶岩ドーム(平成新山)を望む定点の周辺約3千平方メートルを整地。火砕流に巻き込まれた新聞社の車1台と取材用に借り上げられたタクシー2台を台座に据え付け、祈りと感謝の合掌をイメージした安山岩のモニュメント(高さ約2メートル)などを建立した。

 遺族や地元住民ら約100人が参列し、協議会の阿南達也会長(82)が「30年前にこの地で起きたことを語り継ぐ場として守っていきたい」とあいさつ。消防団員の長男佐藤透さん=当時(24)=を亡くした父均さん(82)がモニュメントの除幕に加わり「30年は長いようで短い。毎日、息子の遺影と話している。放っておけばこの地が失われるので整備してもらいよかった」と話した。

 今後は「定点」付近で消防団員12人と警察官2人が命を落とした経緯などの説明板も設け、6月3日の慰霊式典に合わせ犠牲者を悼む。 (真弓一夫)

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