全国の公示地価、6年ぶり下落 コロナで経済停滞 福岡県上昇率トップ

 国土交通省が23日発表した1月1日時点の公示地価は、全国の商業地と住宅地を合わせた全用途の平均で6年ぶりに下落した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年の1・4%上昇から0・5%の下落に転じた。訪日外国人客の消失や国内の経済活動の停滞が響き、上昇基調にあった地価の腰折れが鮮明となった。ただ、大都市部に比べて地方圏の影響は小さく、福岡県は住宅地と商業地ともに全国トップの上昇率となった。 

 全国の全用途は前年の上昇率と今回の下落率との差が1・9ポイントと、リーマン・ショック後の2009年(5・2ポイント下落)以来の下げ幅となった。上昇基調が強かった三大都市圏(東京、大阪、名古屋)が前年の2・1%上昇から、0・7%の下落に落ち込んだ。地方圏は4年ぶりに下落に転じたものの、下落率は0・3%にとどまった。

 用途別に見ると、全国の商業地は前年の3・1%上昇から0・8%下落と、7年ぶりのマイナスとなった。住宅地も0・8%上昇から0・4%下落と5年ぶりのマイナスに転じたが、新型コロナ禍の打撃は大都市の商業地で大きかった。大阪圏の商業地は1・8%下落し、大阪市中央区・道頓堀(28・0%)など、全国の下落率上位10地点のうち8地点を同区が占めた。

 訪日外国人客の増加を受け、繁華街の店舗やホテルの需要が都市部の地価を押し上げてきた。新型コロナ禍で客足が遠のき収益が悪化したほか、オフィス撤退などで需要が低迷した。全国で最も地価が高い東京・銀座の「山野楽器銀座本店」(1平方メートル当たり5360万円)も、7・1%の下落となった。

 一方、地方圏の主要4市(札幌、仙台、広島、福岡)は前年に比べ失速したものの、再開発への期待を背景に全用途で2・9%上昇と、上昇基調を維持した。商業地が3・1%上昇し、住宅地は2・7%上昇した。4市を除く地方圏は、全用途と商業地で前年はバブル期以来28年ぶりのプラスに転じたばかりだが、今回は再び下落に転じた。住宅地は0・6%下落、商業地は0・9%の下落だった。

 都道府県別の変動率マイナスは商業地が39都府県、住宅地は38都府県に広がった。一方、九州では福岡、佐賀、熊本、大分の4県が住宅地で上昇、商業地は福岡、熊本両県が上昇し、佐賀県は横ばいだった。福岡市が商業地の全国上昇率上位10地点のうち8地点、住宅地の2地点を占めた。昨年7月豪雨被災地の熊本県人吉市(14・6%)が全国の住宅地で最大の下落率となった。 (鶴加寿子)

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