落書き
成清櫂斗
教科書にのっている偉人
織田信長、ザビエル、卑弥呼…
教科書のなかでは異人になる
かみのけがモジャモジャに
ヒゲがボーボーになったり
それが先生にみつかり
叱られる
(福岡県筑後市・中2)
【評】アフロヘアの信長にヒゲの生えた卑弥呼とか楽しそう。オリジナルの「異人」たちです。彼らを変身させた思い出はいつまでも残るでしょう。やったことがある人も多いでしょう。でも先生にみつかると叱られる。もちろんいけないことですよ。落書きは。
★ ★ ★
かべのなみだ
小野 絢菜
かべがないている
しろいかべにくろいもじ
ぽたぽた
かべをつたってにじんでまるで
かべのなみだみたいだ
でもきっとそれをみたひとも
ずきん ないているんだ
(福岡市早良区・中2)
【評】この「かべ」はどこの壁でしょう。ただの白い壁かも知れないし、心の中にある気にかかることかも。黒々と書かれた落書きは何かを訴えているようで「ずきん」と感じます。平仮名ばかりの詩は文字がつながって、にじんで泣いているようです。
<詩の育て方~絵に描いた餅>
「絵に描いた餅」ということわざがあります。食べられないので役に立たないという意味に使われますが、これに言葉が付くとちょっと違ってきます。絵に描いた餅は食べられませんが、いろいろ意味を伝えることができます。
紙に丸を描いて「これはお餅です」と言えば「そうか、お餅かと」思われ、「これはお月様です」と言えば「そうか、満月なんだな」と思います。博多の昔のお坊様で仙厓という人は、紙に丸を描いて「これくふ(食う)て茶飲め」と書きました。この丸はおまんじゅうでしょうか。こういう風に絵と言葉は密接に結びついています。それだけに昔から画家たちはなるべく言葉に頼らないで絵の力だけで表そうとしたり、反対に言葉で絵の世界をもっと広げようとしたりしました。
今度、美術の展覧会に行ったときには、そういう目で絵の題をながめてみてください。その画家がどんな思いをこめたかがよく分かって、一段と面白く鑑賞することができるでしょう。(龍)
★「詩の芽」作品募集★
テーマは5月「こいのぼり」(4月20日締め切り)。6月「名前」(5月20日締め切り)「自由題」も歓迎。題名1行、詩は7行くらい(1行15字まで)。西日本新聞の紙面やニュースサイトに載った人には図書カード(1000円分)をおくります。
■投稿方法 住所、氏名(漢字とふりがな)、年れい、生年月日、学校、学年、電話番号を書くこと。あて先は、郵送が〒810-8721 西日本新聞こどもタイムズ編集部。ファクスは092(711)5564。
※ほかの新聞社などに送った作品は送ることができません。作品はお返しできません。