校歌が歌えなかった卒業式

 校歌斉唱ではなく、校歌演奏だった。先日あった小学6年の息子の卒業式は、コロナ前とは様変わりだった。感染対策は、現下の状況では最優先事項。福岡市内では多くの学校で、卒業生が式中に一斉に校歌を歌うことはかなわなかったようだ。ピアノの伴奏に合わせ、子どもの歌声に代わる電子オルガンの音が、寂しく講堂に響いた。

 遠足、運動会、音楽発表会…。「あれもできない、これもできない」。式後、最後の学級指導の中で、息子の担任はこの1年を涙で述懐した。

 「コロナだからできない」ことは多かった。しかし「コロナだからこそできた」ことにも目を向けたい。息子の学校の先生方は卒業式の夜、学校のウェブサイトに校歌が流れるよう、苦心して改良をしてくれた。息子は自宅のパソコンの前で、最後の校歌を元気に歌った。すっきりしたようなその顔を見て、これも「コロナだからこそ得られたもの」だと思った。 (東憲昭)

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