止まらぬ市民マラソン化 福岡国際マラソン終了

 九州では秋冬のロードレースシーズンになると、各地で30キロやハーフも含めたさまざまな距離で実業団選手や学生トップランナーがしのぎを削る大会が開催される。国内外の多数の大会に出場したプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)も「競技レベルが高く、伝統のある大会がすごく多い」と認めていた。九州が多くの名選手を生んだ背景だろう。

 その最高峰に位置づけられるのが、福岡国際マラソンだ。参加資格記録も例年、2時間30分前後に設定されている。

 厳しい制限が設けられる伝統的な「エリートレース」は近年、消滅、もしくは市民参加型への移行が主流となっている。多くのランナーから参加料収入が見込めるとともに、広告効果の高さからスポンサーも集まる。それを財源に高額の賞金が用意される市民参加型にトップ選手が集中するのは自然な流れといえる。

 26日に主催者が開いた会見では11月の福岡マラソンとの統合案も検討したことが明かされたが、アップダウンの多い同マラソンのコースはトップ選手が記録を狙うには不向き。逆に福岡市中心部を走る福岡国際のコースを1万人を超えるランナーが走ることも厳しい。

 五輪や世界選手権への選考レースが一つ減ることになり、強化の面では大きな痛手となる。川内は市民参加型一極化の流れを危惧。従来のエリートレース存続のための案としてレース後のイベントの充実など付加価値をつける必要性を訴えた。

 九州なら唐津10マイルや熊日30キロロードレース、マラソンの別府大分毎日や延岡西日本といった強化の一翼を担ってきたエリートレースをいかに生き残らせるのか。日本の長距離界は大きな岐路を迎えている。 (伊藤瀬里加)

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