五代友厚のように広い視野で 大河ドラマで再び同じ役 ディーン・フジオカさん

 2015年のNHK連続テレビ小説「あさが来た」で薩摩藩出身の実業家・五代友厚を演じ、人気を不動のものにしたディーン・フジオカさん。今年の大河ドラマ「青天を衝け」で再び同じ役を演じることになりました。俳優やミュージシャンとして活躍する一方で、4月には自身初となる絵本を出版予定。多彩な活躍を続けるディーンさんに、五代への思いなどについて語ってもらいました。

 -朝ドラ以来約6年ぶりに五代友厚を演じることになりました。

 ★ディーン 違う作品で同じ人を演じることって、なかなかないんですよね。役者って受け身の仕事で、自分でどれだけ働き掛けても、居場所を用意していただかないと、スタートラインにも立てない。ゆえに不思議な縁を感じました。たくさんの方の期待を背負っているのかなと思います

-前回、五代を演じて感じたことは。

 ★ディーン 自分の人生にとって、一つのターニングポイントになりました。学びの機会をいただきましたね。それまで海外で過ごすことが多かった自分にとって、自分と日本との関係性とか、自分が生まれるずっと前の、五代さんなど明治維新前後の人たちが、後世のために人生を懸けてやってきたことを知る機会になりました。

 -朝ドラと大河ドラマの違いは。

 ★ディーン 正しい言葉かどうか分かりませんが、朝ドラはその性質上、ヒューマンドラマという面があった。もちろん近代の大阪経済において、どういうことをしたかを描いてはいたけれど、少しポップというか、一つのエンターテインメントになっていた。大河に関しては、より骨太で、歴史のうねりの中で誰が何をして、それがどう影響し合ったのかということにフィーチャーされていく。そういうところを視聴者のみなさんと一緒に掘り下げていけたらいいなと思います。

 -ディーンさんは高校卒業後、米国に渡り、その後は香港や台湾などで俳優、ミュージシャンとして活動しました。五代も外国で知見を深め、日本の産業発展に貢献。共通する点もあるのでは。

 ★ディーン 自分の人生を客観視できないので、どこまで比較できるか分かりません。願わくば(そうあってほしい)という感じですね。五代さんのように広い視野で…。それは空間的でも時間的でもですが、物事を捉え大胆に行動していく。そういったエネルギーを継続していた「先輩」のようになれたらと思います。

 -4月9日には自身初となる絵本「ふぁむばむ」(イラスト・ヒカリン氏)を出版します(クラーケンラボ、1650円)。どういったメッセージが込められていますか。

 ★ディーン 広義の意味での「家族」をテーマにしており、容姿や性格が異なる、多様性のあるモンスターがに出るという一見つかみどころのない抽象的な物語になっています。読者の皆様の「想像力」によって楽しんでもらえたらと思います。

 絵本には余白の持つ力があります。そこに想像力が刺激されるし、未来を創造する力があると思っています。また、絵本にはぞくっとさせる瞬間も重要と思い、そこはエドワード・ゴーリーらを参考にしました。双方向でコミュニケーションを成立させるのは、相手に(思いを)届けたいっていうパッションは大事だけど、緊張感も必要。自分はそういったものも絵本から学びました。

 -今回、絵本はクラウドファンディング(3月末まで募集)を活用しながら、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」と協力。国内やアジアの子どもたちに絵本を寄贈するなど教育の機会を提供する取り組みも行っています。支援活動に積極的な理由は。

 ★ディーン 世の中には不条理な状態が自然にあり、負のスパイラルは自助努力だけで抜け出せない。それを正にするために、自分には何ができるのかということが根底にありました。2016年にファンクラブができたときに、自分の理念をファンの方と一緒に具現化できれば、その存在に意義があると思いました。クラウドファンディングが一般化してきた時流は良かったなと思います。

 大きな災害やコロナなどのパンデミックが起きた時に、一番しわ寄せを受けるのは弱者である側、保護を受ける側。社会情勢が変化していく中、新しい価値を生み出していく子どもたちを支援するということは、未来をよりよいものにするために、一番しっくりくる考え方でした。絵本を通じて、子どもたちとカラフルな未来をつくっていけたらと思います。

 (文・永松幸治)

 ▼DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ) 1980年8月19日、福島県須賀川市生まれ。2004年、香港でモデルとして芸能活動を開始。05年に映画「八月の物語」で俳優デビュー。06年には台湾に拠点を移した。09年には音楽制作の拠点をインドネシアに置き、11年から日本での活動も開始。現在は東京を拠点に活動中。3月10日にはニューシングル「Take Over」をリリースした。

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