対面授業へ大学そろり コロナ配慮、遠隔も容認

 入学・進学シーズンが近づく中、九州7県の大学は、新型コロナウイルス禍での対面授業の本格再開を模索している。西日本新聞が各大学に実施したアンケートでは、2021年度前期の対面授業の割合について、福岡市の福岡大や西南学院大は8割以上、佐賀大(佐賀市)や大分大(大分市)は7割程度にすると回答した。多くの大学が、20年度後期よりも対面授業を増やす方向で検討している。 

 文部科学省は、対面授業の実施を各大学に求めている。ただ、学生のクラスター(感染者集団)発生もあり、都市部を中心に大学の対応は慎重だった。大学側は感染防止策を徹底した上で、大学生活に慣れない1年生を優先して対面授業を実施したり、学生を分けて対面と遠隔の授業を交互に行ったりするなど、試行錯誤を重ねる。

 アンケートは今月中旬に実施。九州大(福岡市)は、21年度前期は段階的に対面授業を再開する。1年生は9割の授業を原則対面に、他の学年も週3日以上通学できるようにする。20年度後期の対面授業の実施状況(文科省調べ)は、3割程度だった。

 留学生が半数近くを占める立命館アジア太平洋大(大分県別府市)。20年度後期は「ほぼ遠隔」だったが、「世界から集まった学生がキャンパスで学ぶのは、大学の大きな魅力の一つ」として21年度前期は7割を対面にする。ただ、入国制限で来日できない学生もおり、全ての授業を遠隔で受講可能にするという。

 慎重な大学もある。熊本大(熊本市)は、20年度後期と同様の「3割程度」。学生アンケートで、早期の対面授業開始を求めたのは23%にとどまったという。長崎大(長崎市)は「不安に思う学生には出席を無理強いせず、オンラインの対応を認めている」とした。

 遠隔授業が増えたことで、20年度は一部の学生から、学費の返還を求める声も上がった。長崎県内の大学関係者の男性は「大学生活への不安や不満を解消するため、対面授業は増やす必要がある。感染再拡大の懸念はつきまとうが、いつでも遠隔に切り替えられるよう態勢を整えたい」と強調する。 (金沢皓介)

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