競泳渡辺、狙うは世界新 4月の日本選手権 200メートル平泳ぎ

 競泳の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(4月3~10日、東京アクアティクスセンター)で、ハイレベルの争いが期待される種目が男子200メートル平泳ぎだ。日本記録保持者で2大会連続の五輪出場を目指す渡辺一平(トヨタ自動車)=大分県津久見市出身=は「世界記録での優勝」を誓い、伸び盛りの佐藤翔馬(東京SC)の挑戦を退ける構えだ。 (伊藤瀬里加)

佐藤とのV争い注目

渡辺が史上最速レベルの戦いを制し、自身2度目の五輪切符をつかみ取る。チュプコフ(ロシア)が持つ世界記録2分6秒12を視野に「わくわくしながらレースに臨み、世界記録を出して優勝したい」と意気込む。

 平泳ぎは北島康介さんら、多くの金メダリストが誕生した日本の強みの種目。特に今大会の男子200メートルは前世界記録保持者の渡辺と20歳の新鋭、佐藤の優勝争いに注目が集まる。昨年12月の日本選手権は渡辺が制したが、佐藤は今年、2分6秒台を2度マーク。2月のジャパン・オープンは佐藤が世界歴代4位、渡辺の日本記録2分6秒67に0秒07差まで迫る2分6秒74を出して優勝し、渡辺は2位だった。

 他の選手のレベルも高く、「五輪の表彰台に立てるタイムでいかないと、代表権すら取れないレベルの高さ。これでこそ、日本のお家芸」と実感する。2月に長野県東御市で行った高地合宿では例年以上に平泳ぎに特化して泳ぎ込んだ。長身を生かした大きなストローク、ハイペースのラップを正確に刻む筋持久力を磨き、「昨年の3月よりコンディションはいい」と手応えを口にする。

 

 地元への思いも発奮材料だ。1月から出身地の大分県津久見市の市報でコラムを担当。「津久見の皆さんに毎月いい報告ができれば」と語る。東京五輪が延期され、コロナ禍でプールが使えない期間も経験する中でスポーツの力を改めて感じた。「プロ野球やJリーグが始まって、見ている僕たちもくぎ付けになった。今まで自分が思っていた以上に、スポーツの力ってあるんだと実感した」という。

 だからこそ、「僕も水泳を頑張る姿勢を見せることで日本、大分県、津久見市の皆さんが興奮し『自分も頑張りたい』と思ってもらうことができれば」と誓う。無観客で開催される日本選手権。「(映像を通じて)一発に懸ける選手たちの思いや気迫を感じてもらえたら」。記録にも、記憶にも残る名勝負を演じる覚悟だ。

 渡辺 一平(わたなべ・いっぺい)1997年3月18日生まれ。小学2年生から「つくみジュニアスイミングクラブ」で水泳を始める。男子200メートル平泳ぎでは、2016年リオデジャネイロ五輪準決勝で五輪新記録の2分7秒22をマークし、決勝は6位。17年1月に2分6秒67の世界新記録(当時)を樹立。早大卒業後の19年、トヨタ自動車入社。世界選手権は17、19年の2大会連続で銅メダル。193センチ、80キロ。

競泳個人種目の東京五輪代表選考

 日本選手権決勝で、五輪の決勝進出が見込める「派遣標準記録」を突破し、2位以内に入った選手が代表に内定する。男子200メートル、400メートル個人メドレーは瀬戸大也が2019年世界選手権優勝で代表権を獲得しており、両種目は瀬戸を除く最上位者のみ。

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