聖火リレー「見に行かない」大半 あな特通信員

 東京五輪の聖火リレーが121日間をかけて日本列島を巡っている。西日本新聞「あなたの特命取材班」は、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる全国の「あな特通信員」にアンケートを実施。1091人が聖火リレーや大会開催への考えを寄せてくれた。新型コロナウイルスの「第4波」への不安が強く、聖火リレーは現地に見に行かない人が8割弱に及び、大会も中止すべきだとの考えが5割弱に達した。五輪よりも、感染再拡大の阻止を求める声が目立った。

 アンケートは、聖火リレーが福島県をスタートした3月25日から5日間実施。沿道が混雑する場面もあり、6割強が「密」を避けたいなどとして「見に行きたくない」と答えた。福岡市の女性(49)は「コロナで大切な人を亡くした方を思えば感染につながる催しは控えたい」。同市の会社員の男性(46)からは「五輪開催が確実でない中では盛り上がらない」との声も。組織委員会が推奨する「インターネット中継で見たい」とした1割強を含め、「現地を訪れない」という人は全体の8割弱に達した。

 一方で、「見に行きたい」と答えたのは約1割。長崎県佐世保市の自営業の女性(73)は、1964年の東京五輪で聖火ランナーを務めたといい「高校生当時を思い出したい」と特別な気持ちで聖火到着を待つ。

 東京五輪(7月23日開幕)・パラリンピック(8月24日開幕)の開催の是非も聞いた。半数に及ぶ「中止すべきだ」の理由では、コロナが収束していない状況を不安視する声が大半で、福岡市の会社員の女性(61)は「困っている人の援助に費用を使って」と訴える。「再延期すべきだ」を加えると全体の7割弱が開催に否定的。同市の自営業の女性(49)は感染を恐れ、ボランティアを辞退した。

 大会では海外客の受け入れ断念が決まっている。今後は各施設に入場できる観客の上限数が注目されるが、時期、人数ともに「予定通り開催すべきだ」は1割に満たなかった。「無観客で開催すべきだ」とした2割弱の人たちは、中止や再延期による選手へのダメージなどを考慮。東京都の聖火ランナーを務める自営業長谷文彦さん(58)は「本番への思いは同じだが、生涯を懸けている選手はなおさらだ」と思いやった。

 コロナ禍、東日本大震災からの「復興」の象徴と政府が位置付ける東京五輪・パラリンピック。静岡県の自営業の男性(71)は「このご時世に開く意味は何か、自分自身の結論が出ない」と明かした。 (吉田真紀、金沢皓介、竹中謙輔)

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 このアンケートは、あな特通信員を対象にした調査です。多様な方々の生の声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。

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